悠歩の管理人室

歩くことは、道具を使わずにできるので好きだ。ゆったりと、迷いながら、心ときめかせ、私の前に広がる道を歩いていきたい

明治(いにしえ)の香りを求めて

2013-11-22 19:33:37 | 読書

11月14日に「モースのコレクション展」について書いた。モースのことを調べている中で、
著書「日本その日その日(全3巻)」のことがよくでてくる。日本滞在4年間の記録である。
100年近く前に出版されたもので、日本に来た130年前の日記が元になっている。
文化のまったく違う国に足を踏み入れた時の驚きが、率直に書かれており、
モースの思いが身近に感じられ、ページの各所にちりばめられた挿画とともに、
心弾ませながら読んでいる。
日本人から見れば事物の受け止め方、理解の仕方に、若干の違和感があるものの、
根底に日本や日本人への友好的な気持ちがあふれているので、気にならない。
それよりも、モースが見た明治初期の日本を再現してくれているので、臨場感があり、
まるで映画を見ているような気分になる。
本の随所に出てくる、挿画の元になった道具類を、里帰りした日本で見られたので、
先のコレクション展は貴重な体験だった。
たとえば、第1巻の79頁に、「ところてん突き」の挿画がある。

現物はモース展で見、購入した図録にも載っている。(左が図録、右が第1巻)



12月8日まで開催されている。時間があればもう一度見にいきたいと思っている。

ところで、この「日本その日その日」をネットで調べてみた。
講談社学術文庫として1冊もので販売されている。この本のレビューを読んだところ、
挿画がかなり省略されており、内容も割愛されているとのことであった。
そこで、古書をあたってみると、定価よりも安く、平凡社刊の「東洋文庫」の1冊として、
売られていたのでさっそく注文した。読んだ跡がないほどにきれいな状態だった。
面白いので、2巻、3巻も注文しようとしたが、古書としてはかなり高値になっており、
状態の悪いもの(書き込みあり、日焼けありなど)でも5、6千円~1万円くらいする。
あちこちと探していたところ、時々利用する紀伊國屋書店のウェブストアにあった。
それも13年前に発行されたものが在庫していたので、定価で買うことができた。

この経験は昨年も1度あった。渡辺京二の本が欲しくて探したがいずれも高値で、
版元で品切れ状態だった。ところがたまたま、紀伊國屋書店を覗いたところ、
北海道から九州までの支店から、在庫本を取り寄せることができることがわかった。
さっそく探したところ、札幌と博多にあった。1冊は新宿店だったので、娘に頼んだ。
こうして4冊を全国各地から取り寄せることができた。

本探しというのは色々と工夫をすると面白い発見もあり、心弾む楽しさがあるものだ。


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