漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0514

2021-03-27 19:21:15 | 古今和歌集

わすらるる ときしなければ あしたづの おもひみだれて ねをのみぞなく

忘らるる 時しなければ 葦鶴の 思ひ乱れて 音をのみぞなく

 

よみ人知らず

 

 あの人のことを忘れられる時はないので、葦鶴が乱れ飛んで声を出して鳴くように、私も思い乱れて声を上げて泣くのであるよ。

 「葦鶴」は葦の中にいる鶴。「なく」は「(葦鶴が)鳴く」と「(私が)泣く」の掛詞になっています。叶わぬ恋を忘れることもできず、一人心乱れて涙する作者の切ない心情を詠んでいますね。

 



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