漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 191

2023-10-24 06:08:00 | 貫之集

松にかかれる藤

まつかぜの ふかむかぎりは うちはへて たゆべくもあらす さけるふぢなみ

松風の 吹かむかぎりは うちはへて 絶ゆべくもあらず 咲ける藤波

 

松にかかる藤

松風が吹いてくるかぎり、絶えることなく藤の花が咲き続けるに違いない。

 

 風に吹かれて藤の花房が揺れるのを「波」に見立てての詠歌。松と藤の組み合わせも何度も登場しますね。 ^^
 この歌は、拾遺和歌集(巻第十六「雑春」 第1067番)にも入集しています。