寺社縁起研究会・関東支部

@近畿大学東京センター

第74回例会

2007年07月13日 | 例会履歴

2007.07.13 早稲田大学戸山キャンパス

【研究発表】南北朝期東寺における歴史叙述―『東宝記』を中心に―  貫井裕恵
【要旨】南北朝期は、その社会的混乱状況によって、諸寺が自らの由緒を語るべく多くの縁起や寺誌を編んだ時代である。本報告では、その頃東寺学僧杲宝によって編まれた東寺の総合的寺誌である『東宝記』を題材として、中世寺院の歴史叙述のありかたを考えたい。『東宝記』には、多くの文書や聖教類の引用、及びおのおのにつき編者杲宝の述懐がみられる。これら引用史資料のうち、東寺の由緒を示している太政官符に着眼することで、『東宝記』を貫く歴史叙述の指向性を明らかにしたい。また、『東宝記』編纂開始年代についても言及したいと考えている。