2008.11.28 早稲田大学早稲田キャンパス
【研究発表】禅竹能楽論にみる舞歌の〈起源〉と仏教的身体観をめぐって 高橋悠介
【要旨】金春禅竹の能楽論「六輪一露説」において、「寿輪」や六輪全体をつなぐ「一露」には、舞歌の発生と芸感発現にあたっての根源的な性格が付されている。特に「一露」に関する記事には禅竹の遡源的思考が特徴的にうかがえ、これは歴史的な起源とは別種だが、ある種の〈起源〉を説く言説としてみることもできよう。本発表では、こうした舞歌の発生をめぐる言説を検討する。なお、世阿弥の『遊楽習道風見』最終条についても、「寿輪」を理解するための前提として検討し、世阿弥から禅竹への継承を考えてみたい。