寺社縁起研究会・関東支部

@近畿大学東京センター

水門の会・東京例会 渡辺信和先生追悼シンポジウム

2011年12月11日 | お知らせ
大東文化大学の藏中しのぶ先生からの依頼により、水門の会・東京例会のご案内を掲出いたします。
故渡辺信和先生の追悼シンポジウムです。
 
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水門の会 東京例会
―渡辺信和先生に捧ぐ― 仏教文学研究の軌跡
 
日時:2012年1月8日(日) 13:00~18:00
場所:大東文化会館ホール(東武東上線「東武練馬」駅下車2分)
 
総合司会  群馬県立女子大学 安保博史
開会の辞  大東文化大学 寺村政男
 
『日本霊異記』における仏教迫害説話について  大東文化大学(非) 藤本誠
聖徳寺蔵浅井了意資料の意義  慶應義塾大学 石川透
『容斎随筆』における歴朝人物評  日本女子大学 三田明弘
聖徳太子の観相  渡辺信和/国文学研究資料館 相田満
磯長聖徳太子廟の「廟崛偈」をめぐって  早稲田大学 吉原浩人
東大寺縁起の行基像の問題点  大正大学 米山孝子
思渓版大般若波羅蜜多経・沙石集―渡辺氏への報告―  実践女子大学 牧野和夫
 
閉会の辞  大東文化大学 藏中しのぶ
 
懇親会
 
 
水門の会事務局
〒175-8571 東京都板橋区高島平1-9-1 大東文化大学外国語学部寺村政男研究室
 
水門の会ホームページ

第105回例会

2011年12月03日 | 例会履歴

2011.12.03 近畿大学東京事務所(外苑前)

【研究発表1】宝珠院の所蔵資料について―三宝院流との関わりを中心に―  藤巻和宏
【要旨】今年の6月より、大阪市北区の菅原山天満寺宝珠院の調査を開始した。現在は真言宗御室派に所属する寺院で、かつては大阪天満宮の神宮寺であったとも推測されている。近世に作成された縁起によると、空海により建立され、菅原道真とも関係があったということだが、草創期の詳細を伝える資料はない。時代はくだり、応永三年(1396)に摂津国豊島郡と大和国添下郡を寺領として寄進されたことや、山科言経(1543-1611)・古田織部(1544-1615)・藤原惺窩(1561-1619)ら著名な文化人との交流などが、資料から断片的ながらも指摘されている。調査を開始してまだ間もないが、現在までに明らかとなったことを、特に真言密教三宝院流と関わる資料の存在を中心に報告する。

【研究発表2】室町期の公家と勧進帳―中原康富を中心に―  伊藤慎吾
【要旨】室町期は寺社の修理・再興が頻繁に行われていたが、その際、多くの場合、当該寺社の縁起とともに修理・再興の趣旨を綴った勧進帳が作成された。これらには、終始、内部で作られるものもあれば、外部に依頼するものもある。依頼する先の多くは公家衆であった。その中でも文章や書道に巧みな公家に集中する。さて、中原康富は15世紀中葉の公家であるが、やはり文章をよくし、勧進帳を数通綴っていることが確認される。本発表では中原康富を取り上げることで、寺社がどのように公家に依頼し、どのような関係から草案・清書の担当が決められるのかを考えてみたい。