寺社縁起研究会・関東支部

@近畿大学東京センター

第103回例会

2011年04月23日 | 例会履歴

2011.04.23 近畿大学東京事務所

【研究発表1】東寺における資料管理―目録と寺誌を通じて―  貫井裕恵
【要旨】東寺(教王護国寺)には豊富な典籍・文書・記録類が伝来している。こうした資料は中世を通じてどのように管理されてきたのか。目録を手がかりに資料管理の主体と方法の変遷をたどりながら、南北朝期に成立した総合的寺誌『東宝記』に求められた機能を明らかにしたい。さらに、室町期東寺における資料管理体制の変化に及し、寺院運営のなかで寺誌がどのように利用されてきたのかについて考えてみたい。

【研究発表2】慶政像の生成―『沙石集』巻第十本ノ八「証月房遁世ノ事」を端緒として―  太田有希子
【要旨】『沙石集』には、慶政上人(1189-1268)に関する記述が散見される。慶政は、その著書『比良山古人霊託』(猪熊本)の勘注によって九条道家の実兄とされ、「九条家文書」等から、彼の宗教活動には道家との緊密な連繋が確認される。これらの活動からすかし見える慶政の〈世俗性〉と『沙石集』に描かれた慶政像とは小さからぬ懸隔がある。本発表では『沙石集』における慶政像とその生成要因等を検討し、彼の評価やその活動の意義について探ってみたい。


第103回例会のお知らせ

2011年04月14日 | お知らせ

各位

先の震災の影響甚大なることに鑑み、3月に予定していた例会を中止といたしました。
年度の改まった現在でも、首都機能等、いまだ正常化したとは言いがたい状況ではありますが、学術面も含め、復旧への努力を重ねてゆくことが重要であると考えます。その一助ともすべく、ここに下記の要領で第103回例会を開催いたします。
なお、私 藤巻は4月より近畿大学に勤務しておりますが、今回以降は近畿大学東京事務所を会場として関東支部例会を開催してゆきたいと考えております。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。