2006.10.13 早稲田大学戸山キャンパス
【研究発表】「高野山水屏風」について 田光美佳子
【要旨】京都国立博物館所蔵の「高野山水屏風」は、高野山上の主要伽藍を四季の移ろいを添えて六曲一双の屏風に収めた作例である。実在する(した)伽藍を描いている点で絵図史料としても価値を有しているが、それ故に実景との近似性を指摘するにとどまり、実在する土地の姿に近づけて描く意味について踏み込んだ考察をする必要がある。本発表では、個々の伽藍その他モティーフについて創建年次・伝承などを確認しながら本屏風の年代的位置付けを行うとともに、本屏風における実景の意味について私見を呈してみたい。