寺社縁起研究会・関東支部

@近畿大学東京センター

日沖敦子著『当麻曼荼羅と中将姫』

2012年02月26日 | お知らせ

名古屋市立大学の日沖敦子さんからの依頼により、
新刊の御著書『当麻曼荼羅と中将姫』(勉誠出版、2012)のご案内を掲出させていただきます。 

> いつもお世話になっております。
> このたび、拙著『当麻曼荼羅と中将姫』を刊行させていただきました。
>
> 日頃、学会・研究会をはじめ、御論文等で
> 御教示いただいている皆さまにお送りしたく思いながらも、
> なかなか厳しく、難しいところです。申し訳ありません。
> 失礼を承知で、もし、御購入を検討いただける方がおられましたら、
> (大学や公共図書館などでの御購入を含め)、
> 下記の連絡先まで、御連絡いただけますれば幸いに存じます。
> 著者割2割引で出版社よりお送りいたします。
> 今後とも、御指導御鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
>
> 日沖敦子  hachihime8◆ybb.ne.jp
 ※メール送信の際は◆を@に置き換えてください。

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日沖敦子著『当麻曼荼羅と中将姫』目次

(論考篇)
序章  中将姫説話と民衆の信仰のかたち

第一部 中将姫説話と物語絵
第一章 浄土憧憬 ―檀王法林寺蔵「中将姫臨終感得来迎図」をめぐって―
第二章 当麻曼荼羅と中将姫説話 ―物語絵の享受―
第三章 在米の奈良絵本・絵巻 ―お伽草子『中将姫』について―
第四章 中将姫説話の展開 ―当麻寺中之坊蔵「中将姫絵伝」を端緒として―

第二部 当麻曼荼羅の制作と説話・縁起の生成
第五章 当麻曼荼羅と比丘尼 ―『月庵酔醒記』所収説話を端緒として―
第六章 禅林寺所蔵「当麻曼荼羅」由来譚とその周辺 ―『月庵酔醒記』所収説話における「肥後」の地をめぐって―
第七章 当麻曼荼羅の修復と制作 ―『新著聞集』に見る曼荼羅説話の展開―
第八章 曼荼羅の由来と縁起 ―愛知県江南市日輪山曼陀羅寺の事例を通して―

第三部 僧と民衆 ―民衆の信仰のかたち―
第九章 髪繍当麻曼荼羅と空念 ―近世前期の一僧侶の活動とその意義―
第十章 髪繍に込めた祈り ―漂泊僧空念の歩み―
第十一章 光世と彫刻当麻曼荼羅 ―近世前期における当麻曼荼羅享受の一形態―

(資料篇)  
(翻刻)檀王法林寺蔵『当麻踟供養図記』
(翻刻)ボストン美術館蔵『中将姫』


「文化的記憶」としての八幡縁起の絵画化―その古為今用

2012年02月08日 | お知らせ

東京文化財研究所企画情報部より、以下のご案内をいただきましたので、掲出いたします。

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各位

東京文化財研究所企画情報部では、下記の通り、メラニー・トレーデ氏(ハイデルベルク大学教授、ミシガン大学トヨタ客員教授)による講演会「「文化的記憶」としての八幡縁起の絵画化―その古為今用」を開催いたしますので、お知らせいたします。

●日 時:2012年3月5日(月)午後2:00~5:30

●場 所:東京文化財研究所 地階セミナー室

●申し込み・詳細:添付ファイルまたは下記のサイトをご参照ください。
http://www.tobunken.go.jp/~joho/20120206.html


第106回例会

2012年02月03日 | 例会履歴

2012.02.03 近畿大学東京事務所

【研究発表1】慶政の書写活動―『伝屍病口伝』『辟鬼珠法』の奥書から―  太田有希子
【要旨】橋本進吉が「慶政上人伝考」(『大日本仏教全書』第73巻)の中で『伝屍病口伝』『辟鬼珠法次第』の奥書を紹介して以来、これらは慶政の伝記研究において必須のテキストとなっている。しかしながら、これらのテキストに言及する先行研究の多くは、慶政の学問や血脈を論じるものばかりで、管見の限りでは、テキストそのものを本格的に扱った研究はまだない。そこで本発表では、まずこれらのテキストについて詳細な検討を行い、そこから慶政の書写活動の一端を明らかにしてみたい。

【研究発表2】地震災害に関連した奉幣使告文―付・四天王寺を襲った守屋の亡霊と津波―  松本真輔
【要旨】本発表は、大地震に関連した寺社への奉幣使派遣とそれに伴う告文の内容についての検討を目的とする。中心となるのは貞観十一年(869)に発生した東北地方の地震である。告文は同時期に発生した新羅の海賊と合わせて日本の脅威を説いており、自然災害とあわせて所謂「護国」思想の問題とも密接に絡み合っているものと思われる。発表者の関心は聖徳太子信仰の中心地の一つである四天王寺において新羅調伏思想が現れる問題にあり、その淵源となる時代背景についての整理を試みるのが本発表の目的である。また、地震災害に関連して、中世の聖徳太子伝に現れる四天王寺の津波襲来伝説についても触れてみたい。