寺社縁起研究会・関東支部

@近畿大学東京センター

第112回例会

2013年11月02日 | 例会履歴

2013.11.02 近畿大学東京事務所

【研究発表】外川仙人堂信仰と出羽三山参詣  佐藤 優
【要旨】外川仙人堂は、山形県最上郡戸沢村古口地区に鎮座する。現在は、子どもの疳の虫封じや航海安全に利益があるとされ、毎年8月19日に挙行される例大祭には、山形県以外からも多くの参拝者で賑わう(2009年8月18、19日・発表者調査)。さて、仙人堂については、享和三年 (1803)に再版された略縁起が残されており、この内容などについては、『世間話研究』第19号(世間話研究会、2009年)に報告させてもらった。しかしながら、この報告の後に、千葉県野田市・我孫子市・印西市にも「仙人権現」と刻字された石祠が現存していることが判明した。そこで、今回の報告では上記の作業をふまえ、千葉県内の「仙人権現」と外川仙人堂の関わりについて考察してみたい。具体的には、上述した地域における外川仙人堂信仰について、勧請経緯など史資料に基づき報告してみることにする。さらに、近世後期、上総国から出立した出羽三山参詣道中記も取り上げて、出羽三山参詣という大きな枠組みの中から千葉県における外川仙人堂信仰の意味づけをとらえ直してみたい。