寺社縁起研究会・関東支部

@近畿大学東京センター

第117回例会

2016年03月01日 | 例会履歴
2016.03.01 近畿大学東京センター
 
研究発表1】興福寺南円堂の壁画に関する問題  小野佳代 
【要旨】興福寺南円堂は弘仁四年(813)に藤原冬嗣によって創建された八角円堂である。『山階流記』南円堂条によると、平安時代の南円堂には、天台祖師の慧思と智、真言祖師の一行・惠果・善無畏・金剛智、法相祖師の玄奘らの祖師画が描かれていたという。本発表では、法相寺院の興福寺南円堂に、なぜ法相以外の真言や天台の祖師が描かれたのか、またその理由は何であったのかについて論じ、さらにこれらの祖師画の南円堂内における配置についても言及してみたい。
 
研究発表2】『赤淵大明神縁起』の創生―越前朝倉氏の始祖伝承―  木村祐輝 
【要旨】『赤淵大明神縁起』は、一乗谷に鎮座した赤淵神社の来歴を記すのみならず、但馬日下部氏の起源譚でもある。本研究では、縁起の内容を検討するとともに、越前朝倉氏五代当主義景が縁起を作成した背景について考察する。