1.まえがき
あるサイトに平均値定理
f(a+h)=f(a)+hf'(a+θh) (0<θ<1) ・・・・・・・・・・・①
において、h→0としたとき。f''が連続で、f''(a)≠0ならば、θ→1/2 であることが示されていた。
その概略は f(a+h)とf’(a+θh)に平均値の定理を使って展開すると(0<θ,θ₂<1として)
f(a+h)=f(a)+hf'(a+θh)= f(a)+h(f'(a)+ θ h f''(a+θθ₂ h)) ・・・②
f(a+h)をテイラー展開して
f(a+h)=f(a)+hf'(a)+(h²/2)f''(a+θ₀ h) (0<θ₀<1) ・・・・・・③
となる。➁③から h≠0 として
θ=(1/2) f''(a+θ₀h)/ f''(a+θθ₂h)
となり、θ→1/2(h→0)となることがわかる。
2.一般化
上の命題で f''(a)=0 の場合を一般化は手以下の命題を証明する。
[命題] n≧2、f^(n)(x) を連続で、f^(n)(a)≠0 かつ、f^(i)(a)=0(2≦i≦n-1)とする。
このとき、①において、
θ→(1/n)^(1/(n-1)) (h→0)
となる。
[証明]まず、f(a+h)をn次まで、テイラー展開すると
f(a+h)=f(a)+hf'(a)+(h²/2!)f⁽²⁾(a)+…+(hⁿ/n!)f⁽ⁿ⁾(a+θ₁h)
=f(a)+hf'(a)+(hⁿ/n!)f⁽ⁿ⁾(a+θ₁h)
となる。つぎに、f'(a+θh)を(n-1)次まで、テイラー展開すると
f’(a+θh)=f’(a)+θhf⁽²⁾(a)+((θh)²/2!)f⁽³⁾(a)+…+((θh)ⁿ⁻¹/(n-1)!)f⁽ⁿ⁾(a+θ₂θh)
=f’(a)+((θh)ⁿ⁻¹/(n-1)!)f⁽ⁿ⁾(a+θ₂θh)
となる。
この両式を①に代入してまとめると
(hⁿ/n!)f⁽ⁿ⁾(a+θ₁h)= ((θⁿ⁻¹hⁿ)/(n-1)!)f⁽ⁿ⁾(a+θ₂θh)
θ=(1/n)^(1/(n-1)) (f⁽ⁿ⁾(a+θ₁h)/ f⁽ⁿ⁾(a+θ₂θh))^(1/(n-1))
これにより、h→0のとき、結論を得る。
3.例
・f(x)=xまたは定数のときθは不定。(f⁽²⁾=f⁽³⁾=・・・=0 のため、ここの結論は使用不可)
・f(x)=x² のとき、θ=1/2。
・f(x)=xⁿ (n≧3)のとき、上に述べたように、x≠0でθ→1/2。x=0でθ=(1/n)^(1/(n-1))
・f(x)=sin(x)のとき、f''(x)=-sin(x)だからx≠mπ(m=0,±1,…)でθ→1/2。
x=mπ(m=0,±1,…)のとき、f⁽³⁾(x)=-cos(x) で f⁽³⁾(mπ)≠0だから、θ→1/√3。
以上
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