1. まえがき
微分可能な関数 f(x)=x³-3x に対する、平均値の定理 {f(a+h)-f(a)}/h=f'(c) (a<c<a+h)
において、c を求める問題があった。これを解いてみた。
計算すると c=±√(a²+ah+h²/3) となります。c の存在は保証されているが、この複数の候
補の確定が問題の本質になる。
2. 計算
まず、c=±√(a²+ah+h²/3) では、a²+ah+h²/3=(a+h/2)²+h²/12>0 なので c は必ず存在す
る。ここで、改めて、c=√(a²+ah+h²/3) (>0) と置く。すると、解の候補は ±c となる。
c=√{a²+h(a+h/3)}・・・・・・・①
c=√{(a+h)²-h(a+2h/3)} ・・・②
と変形できる。以下では、h, c>0 および -c<c に注意する。
(a) まず、①により、a+h/3<0 (a<-h/3<0)ならば、c<|a|=-a すなわち、a<-c となる。
つぎに、②により、a+2h/3>0 (a+h>h/3>0)ならば、c<|a+h|=a+h となる。
つまり、-2h/3<a<-h/3 ならば a<-c<c<a+h であり、±c の2つが解となる。
(b) つぎに、a+h/3≧0 のとき、①により、 c≧|a| つまり、-c≦a≦c となり、-c は解
ではない。平均値の定理より、解の存在は保証されているから、それは c 以外にない
(a<c<a+h の証明はできるが、その議論をしなくてもよい)。
つまり、a≧-h/3 のとき、解は c のみ。
(c) 同様に、a+2h/3≦0 のとき、②により、 c≧|a+h| つまり、 -c≦a+h≦c となり、
c は解ではなく、解は -c 以外にない。つまり、a≦-2h/3 のとき、解は -c のみ。
3.補足
上の(b) において、不要ではあるが a<c<a+h を証明する。 a+h/3≧0 のとき
c=√(a²+ah+h²/3) =√{(a+h/2) ²+h²/12)>|a+h/2|=a+h/2>a (a+h/2>a+h/3≧0 )
a+2h/3≧h/3>0 だから、h(a+2h/3)>0 なので、②により、
c<|a+h|=a+h (a+h>a+h/3≧0)
以上
微分可能な関数 f(x)=x³-3x に対する、平均値の定理 {f(a+h)-f(a)}/h=f'(c) (a<c<a+h)
において、c を求める問題があった。これを解いてみた。
計算すると c=±√(a²+ah+h²/3) となります。c の存在は保証されているが、この複数の候
補の確定が問題の本質になる。
2. 計算
まず、c=±√(a²+ah+h²/3) では、a²+ah+h²/3=(a+h/2)²+h²/12>0 なので c は必ず存在す
る。ここで、改めて、c=√(a²+ah+h²/3) (>0) と置く。すると、解の候補は ±c となる。
c=√{a²+h(a+h/3)}・・・・・・・①
c=√{(a+h)²-h(a+2h/3)} ・・・②
と変形できる。以下では、h, c>0 および -c<c に注意する。
(a) まず、①により、a+h/3<0 (a<-h/3<0)ならば、c<|a|=-a すなわち、a<-c となる。
つぎに、②により、a+2h/3>0 (a+h>h/3>0)ならば、c<|a+h|=a+h となる。
つまり、-2h/3<a<-h/3 ならば a<-c<c<a+h であり、±c の2つが解となる。
(b) つぎに、a+h/3≧0 のとき、①により、 c≧|a| つまり、-c≦a≦c となり、-c は解
ではない。平均値の定理より、解の存在は保証されているから、それは c 以外にない
(a<c<a+h の証明はできるが、その議論をしなくてもよい)。
つまり、a≧-h/3 のとき、解は c のみ。
(c) 同様に、a+2h/3≦0 のとき、②により、 c≧|a+h| つまり、 -c≦a+h≦c となり、
c は解ではなく、解は -c 以外にない。つまり、a≦-2h/3 のとき、解は -c のみ。
3.補足
上の(b) において、不要ではあるが a<c<a+h を証明する。 a+h/3≧0 のとき
c=√(a²+ah+h²/3) =√{(a+h/2) ²+h²/12)>|a+h/2|=a+h/2>a (a+h/2>a+h/3≧0 )
a+2h/3≧h/3>0 だから、h(a+2h/3)>0 なので、②により、
c<|a+h|=a+h (a+h>a+h/3≧0)
以上