特殊相対性理論・電磁気学・数学

物理の暗黒面や面白い問題など。

平均値の定理におけるある関数の c の求め方

2019-03-09 08:18:12 | 解析
1. まえがき

 微分可能な関数 f(x)=x³-3x に対する、平均値の定理 {f(a+h)-f(a)}/h=f'(c) (a<c<a+h)
 において、c を求める問題があった。これを解いてみた。

 計算すると c=±√(a²+ah+h²/3) となります。c の存在は保証されているが、この複数の候
 補の確定が問題の本質になる。

2. 計算

 まず、c=±√(a²+ah+h²/3) では、a²+ah+h²/3=(a+h/2)²+h²/12>0 なので c は必ず存在す
 る。ここで、改めて、c=√(a²+ah+h²/3) (>0) と置く。すると、解の候補は ±c となる。

 c=√{a²+h(a+h/3)}・・・・・・・①
 c=√{(a+h)²-h(a+2h/3)} ・・・②
 と変形できる。以下では、h, c>0 および -c<c に注意する。

 (a) まず、①により、a+h/3<0 (a<-h/3<0)ならば、c<|a|=-a すなわち、a<-c となる。
   つぎに、②により、a+2h/3>0 (a+h>h/3>0)ならば、c<|a+h|=a+h となる。
   つまり、-2h/3<a<-h/3 ならば a<-c<c<a+h であり、±c の2つが解となる。

 (b) つぎに、a+h/3≧0 のとき、①により、 c≧|a| つまり、-c≦a≦c となり、-c は解
   ではない。平均値の定理より、解の存在は保証されているから、それは c 以外にない
   (a<c<a+h の証明はできるが、その議論をしなくてもよい)。

   つまり、a≧-h/3 のとき、解は c のみ。

 (c) 同様に、a+2h/3≦0 のとき、②により、 c≧|a+h| つまり、 -c≦a+h≦c となり、
    c は解ではなく、解は -c 以外にない。つまり、a≦-2h/3 のとき、解は -c のみ。

3.補足

 上の(b) において、不要ではあるが a<c<a+h を証明する。 a+h/3≧0 のとき
 c=√(a²+ah+h²/3) =√{(a+h/2) ²+h²/12)>|a+h/2|=a+h/2>a (a+h/2>a+h/3≧0 )

 a+2h/3≧h/3>0 だから、h(a+2h/3)>0 なので、②により、
  c<|a+h|=a+h (a+h>a+h/3≧0)

以上


最新の画像もっと見る