英語道(トラスト英語学院のブログ)

長野県伊那市の英語塾「トラスト英語学院」の塾長ブログです(^^)/
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井川先生からのコメント

2007年07月04日 | 指導現場にて
先日のエントリで、井川治久先生から拙著出版に対して祝福のお言葉をちょうだいし、恐縮しました。
そのコメントで、井川先生から「ここ15年間における日本で感じ取る英語の質の変化についてどう思われるか?」という意見交換のご提案をいただきましたので、今回のエントリで私の私見を述べたいと思います。

しかし、本題に入る前に、井川先生のご紹介をさせていただきます。
詳しいプロフィールは、こちらをご覧いただくとして、私と井川先生の接点を述べさせていただきます。

私と同じ早稲田大学出身の井川先生。私が高校生の時、東京・高田馬場の早稲田予備校で、すでに超人気のカリスマ講師の座を揺ぎ無いものにされていました。

私が高校生および大学受験生当時は3大予備校(代ゼミ・河合塾・駿台)が幅を利かせておりましたが、なぜか私は“早稲田予備校”とそのメイン校舎である“13時ホール”という名称が気に入り、高校2・3年生の夏期講習は、それぞれ2週間早稲田予備校に通いました。

しかし、言わずもがな、人気講師である井川先生の夏期講習の講座はすぐに締め切られてしまい、私にとっては雲の上のような存在。13時ホールのロビーにある書店で、井川先生の著書を、指をくわえて眺める以外に術がなかったのです。

そんな井川先生から、私のブログに初めてコメントをちょうだいしたのが2ヶ月ほど前のことでした。

(井川先生のブログはこちらです。)

さて、本題の「ここ15年間における日本で感じ取る英語の質の変化」についてです。
井川先生がなぜ15年間といわれる真相は分かりませんが、15年前の1992年は私が浪人の末、早稲田大学政治経済学部に合格・入学した年です。

まず、当時の大学入試英語は、精読から速読を重視した時代への過渡期のような入試問題構成でした。400語を20分で読めれば充分でした。英語の新聞・雑誌などから抜粋した時事的内容の英文はまれにしかみられませんでした。

時を同じくして、慶応大学が湘南藤沢キャンパス(SFC)に総合政策学部と環境情報学部を設置し、早稲田との差別化を明確にし始めました。そしてこの2学部を筆頭に慶応大学は入試英文を超長文化させました。時事的な内容の英語の超長文が読め、解答に必要とされる情報をスキャニングできる。まさに、迎えつつあった国際化・情報化社会の中で、英語力が秀で、氾濫する情報の中から必要とされる情報を取捨選択できる力をもった学生の確保を、慶応大学が意図していたことは明らかです。

そして、早稲田を始め他の大学も追随していったように私には見受けられました。10年ほど前からは完全に精読から速読の時代に入りました。

その結果、明らかに高校で学ぶ英語をはるかに超越、いや無視した英語力が難関私立大学で見受けられるようになったと感じます。

現在、1000語を20分で処理できないと厳しいです。もちろん問題解答もこの時間に含めてです。

それとは対照的に、高校英語の現場ではやれ‘ゆとり教育’だ、やれ‘コミュニケーション重視の英語力’だで、高校生が学ぶ英語が昔と比べて軟派になりました。

コミュニケーション重視のカリキュラムにして、はたして英語を話せるようになったのでしょうか。むしろ、話せない、英語が分からない、という高校生が、昔よりも増加し、“英語難民”が増加しているように思います。

この15年間で二極化したように思います。つまり、英語ができる人と全くできない人。ほどほどにできる中産階級的などっちつかずの英語力の人は少なくなったと、私は考えます。
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6 コメント

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Unknown (井川治久(早稲田大学OB))
2007-07-05 02:03:26
書かれていることを読み、「なるほど」と思います。。。。。。情報の★取捨選択力・・・を「意図」した入試問題に変質してきているのでしょうね。。。。。。また、日本語と同様に、「複雑な構文」の多用も減りつつあるのでしょう。。。。。。■20年前の参考書では、★「入り組んだ構文」や「文法についての★書き換え(問題)」が多く取り上げられ、●「学習法」としては悪くないですが、、、、、、「改訂」しないと2006年~2007年の入試に▲「即することはない」のでしょうね。。。。。。どう思われますか?・・・近年、体調を崩していたのですが、改めて「現代入試英語」について少しずつ「議論」したいと考えています。■15年と言う期間を挙げたのは、わたしが大昔、★15年~20年前の英語は「古文」だね!・・・という「説」を聞いたので、どの程度★「古文化」していると思われるか? 感想を、お尋ねしたかったのです。。。他のブログでは、こういう質問には、みな応えてくれないんですよ。。。●こういう「遣り取り」の場は、貴重ですよ。(また、時間のあるときに、読ませて頂きます。)

井川治久

2007年7月5日(1:55)東京・小雨・22度。
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Unknown (かいちゃん)
2007-07-05 07:15:30
英語の虎さんのコメント欄で、含蓄のある発言をされているので、「う~ん、おぬしやるな!」ってな具合で飛んできました。まさに英語道を歩まれている生き方に圧倒されました。時間をかけて過去ログを拝見させていただくとともに、休みに書店に行って「インプット重視英語学習法」を見てみます。
返信する
Unknown (管理人)
2007-07-06 16:37:11
かいちゃんさん、コメントありがとうございます。
ブログのプロフィールも拝見いたしました。

「英英辞典・ロングマンを20年間使って学習をする。これまでに5冊のロングマンを使いつぶす。この経験からロングマンを使った独自の学習方法を提唱。

語学の原点は読むことであるとの信念から、タイムとペーパーバックを20年間読み続ける。これまでにペーパーバックは750冊以上読破。
英検1級取得。」

頭が下がる思いです。かいちゃんさんに比べたら、私なんぞまだまだという感じがします。

私も、さらにインプット重視の学習で研鑽し、修行していきたいと思います。
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Unknown (早稲田大学・大隈講堂完成します。)
2007-10-09 17:34:13
早稲田大学も125周年ですね!
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Unknown (★井川治久 (早稲田大学OB))
2010-12-05 23:43:13
ご無沙汰しております。体調も回復し、2010年11月現在 :

代々木ゼミナール、代ゼミ個別指導スクール 講師に、復帰いたしました。

ところで、★2010年の早稲田大学の入試問題について、出題のしかた は、好いと思われますか?

御時間がありましたら、コメントを願います。

それでは、よき年末を、お過ごし下さい。

2010年12月5日

井川治久 (早稲田大学OB)
 
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Unknown (fukken)
2010-12-06 20:54:52
♪井川先生♪
お久しぶりでございます。
しばらくご無沙汰しておりましたが、先生の体調を心配しておりました。復帰されたそうで何よりですが、どうぞ健康だけは留意されて下さい。


さて、2010年の早大の出題形式についてですが、思うところをざっくばらんに書かせていただきますが、私は全体的に早稲田の出題については肯定的です。

出題形式が学部間で違うところは、例年通りです。その学部の特色をはっきり出そうとする大学側の姿勢がうかがえます。学部間併願が多い早稲田志望者にとっては対策が大変だと思いますが・・・。

私の受験生の頃から、早稲田は学部毎に独立して入試問題を作成していると聞いています。出題形式が統一されないのは、その辺の事情も絡んでのことでしょうか?

また、近年は、受験生の意見を求めたり受験生に要約を書かせる問題が必ず出題され、受験英語プラス発信型の英語力を測定しようとする大学側の苦心がうかがえます。会話形式の英文で普段の勉強ではあまり目にしない口語表現が試されているのも、大学側が強く意識している点だと思います。

難関私立大を中心に、多読・速読は当然になっているのが昨今の趨勢からすると、読む分量が多いのは当然で、対策をしていない受験生にはしようがないところでしょうか。

なるべく学部に関係した長文の内容や出典を心がけているのも、好感が持てるところです。
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