自然を体験する旅

エコツーリズム・プロデューサーの壱岐健一郎がお届けする旅に関するスローなブログ

オランダでは市長が自転車でやって来た!

2005-12-06 06:57:30 | 環境

ライン川の上流スイス・バーゼルを出発点にドイツ南部の環境首都フライブルク、
そして北部のもう一つの環境首都ミュンスターの町づくりと市民のライフスタイルを
視察・体験したあと、隣国のオランダ・アムステルダムを経由し、
今回の旅の最終目的地、ライン川の河口地域にできた町、ライデンに到着しました。
ここでの目的は歴史あるライデン大学の日本語専攻科の学生達との交流でした。
受入の主体は学生サークル“TANUKI”。最初はオランダ語かとも思いましたが、
確かに日本古来の動物「狸(たぬき)」のこととか。
20名以上のオランダ人学生が流暢な日本語で出迎えてくれたのには驚きました。
語学研修ツアーであれば問題?かもしれないくらい日本から来た学生達は、
すぐに打ち解けてしまいました。その大きな理由は日本語が通じるという
ことだけではなく、彼(彼女)たちのアパートに居候したことによるでしょう。
(通常ホームステイとは家庭に滞在するのですが、
ほとんどが働きながらアパート暮らしをしている学生達の部屋や共同住宅に
滞在したのです。)
3日間の短い滞在中、毎日のツアーに集合時には徒歩、自転車、路線バス、
で彼(彼女)たちと一緒に集まってきました。さぞ、地元学生のライフスタイルを
垣間見ることもできたことでしょう。
 
 ライデン大学は1575年に創設されたオランダ最古の大学。
旧市街地の中心部にある講堂で私たちのために特別講座も開講していただきました。
臨時講師はなんと市長。若い市長はパワーポイントを駆使し、
通訳はTANUKIのメンバーが務めるという立派なもの。
多分、日本ではこんなに真面目に講義を聴いていない(失礼!)
学生達も熱心に受講していました。講義が終わり、見送りにでたところ、
すでに市長は車上の人。愛車の自転車で1人、軽快に帰って行かれました。
そして、運河を渡る風がとても爽やかに感じました。
この柳の下で、江戸末期、日本を追放されたシーボルトが、
ライデン大学での日本研究に没頭しながらも、
日本に残してきた妻たきと娘いねを想ったのかな・・・・と
思いを馳せた旅の終わりでした。


世界の環境保全に頑張っている財団グリーンクロスジャパンの
会報誌「風のこえ」に今月書いたのを転載・・・こんな調子で今年は大忙しでした。

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