自然を体験する旅

エコツーリズム・プロデューサーの壱岐健一郎がお届けする旅に関するスローなブログ

環境首都ドイツ・フライブルク は 自然エネルギーを活かす 旧くて新しい町だった

2005-04-30 00:44:00 | ドイツ
環境首都フライブルクはスイスとフランスの国境に近い南ドイツの古い都市。
ドイツのエコライフを体験しようと様々な分野で活躍する皆さんとやってきた。
成田を発つ時はソメイヨシノが満開で、帰る頃には散っているだろうなーといささか
未練たらしい気持ちもあった。フランクフルトで特急列車ICEに乗り換え、2時間の「世界の車窓から」状態に突入。沿線には白い花をつけた木々が見えてきた。地元の人に聞くと、これがドイツの桜だとのこと。雰囲気が随分異なるが、2カ国同時に花見ができたことで得した気分になってドイツ旅行の幕は開いた。
 フライブルクは人口22万人の学生の街。フライブルク大学や大聖堂ミュンスターを中心に旧市街を維持保全しながら、都市計画が堅実に進められ、環境首都という称号も与えられた。それを特に印象付けるのは街の至るところで見かける太陽光発電施設だろう。個人住宅の屋上から、大型駐車場ビル、教育施設、駅ビル、大型ショッピングビル等の屋上や
ブンデスリーグ・サッカースタジアムの大型屋根など、様々なソーラーシステムの展示場と思えなくもない。しかし、景観を保ちながら設置しているなーと配慮も十分に感じることができる。コーポラティブ新興住宅地として外国からの視察も多いボーバン団地は知恵と技術に溢れた建築物だけではなく、そこに住む人たちの生活のセンスに好感をもった。
 このようなハードの充実を活かすのは充実したエコライフに価値を見出すフライブルク市民のライフスタイルというソフトだった。


黒い森の小さな村で過ごした。

2005-04-30 00:25:52 | ドイツ

フライブルクから車で40分。
広大な黒い森にある小さな村オーバーリードにも滞在した。
目的は持続可能な循環型社会体験。
人懐っこい笑顔のシュミットさんは完全有機のワイン農家。
観光ツアーを受け入れていないのでご本人もちょっと驚いていたが、
試飲でこんなに盛り上ったグループがあっただろうか?
それだけ普段では口にできない秘密の味だった。
 宿泊のガストホフ(民宿風ホテル)から日帰りハイキングで、
エネルギーを完全自給している山上のレストランを訪ねた。
ヨーロッパではじめて一戸建て住宅に太陽光発電を設置したところらしいが、
現在では水素燃料電池も稼動させていた。
昼食はそのエネルギーで料理したソーセージとスープ。
2時間の山歩きの果てに辿り着いた恩恵を十分味わった。