ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

フェイブルマンズ

2023年11月14日 | 映画みたで

監督 スティーブン・スピルバーグ
出演 ガブリエル・ラベル、ミシェル・ウイリアムズ、ポール・ダノ

 スピリバーグの自伝映画である。小生の親戚に映画俳優のおじさんがいた。沢本忠雄という。その沢本は映画を製作する側として日活に入社しましたが、なにかの拍子で俳優になったそうだ。スピルバーグの場合は沢本と違い映画監督になるんだとの強い意志を持ってハリウッドへ行った。けっして沢本のようにひょんなことで映画監督になったのではない。
 映画監督になるために生まれ、育ち、映画監督になって、世界的な名監督になったのである。だからスピルバーグは幸せな人だろう。
 サミーは両親に連れられて映画を観に行った。列車が転覆するスペクタクル映像を観てすっかり気に入って、鉄道模型を買ってもらって、転覆させて喜んでいると、お父さんがカメラを買ってくれた。それで鉄道転覆の映像を撮って映写するうれしさを得た。それがサミーが映画創りに没頭するスタートだった。
 サミーの父はコンピュータ技術者、母はピアニスト。父からエンジニアとしての資質を母から芸術的な感性を受け継いだ、映画監督としての適性を生まれた時から持っていたのだ。
 それからサミーは友だちを集めて西部劇や戦争映画を創っていく。高校生になってユダヤ人であるがゆえの差別やいじめにもあうが、高校最後の「おさぼりの日」を映画に撮り、いじめっこに改心させる。
 高校を卒業したサミーはハリウッドに行く。幸運なことのアメリカを代表する巨匠と会い、アドバイスをもらう。
 スピルバーグが自分を題材に映画創りを描いた映画である。だからたいへんに素直に判りやすい映画だ。スピルバーグはいういう映画を創るとたいへんに良い。SFを知らんくせにSF映画を撮らず、こういう映画を撮ればいいのに。