ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

ドクトル・ジバゴ

2021年02月22日 | 映画みたで
監督 デヴィット・リーン
出演 オマー・シャリフ、ジュディ・クリスティー、ロッド・スタイガー

 3時間を超える超大作映画である。長い映画であるが長さを感じられなかった。アメリカ、イタリアの合作映画で、監督はイギリス人のデヴィット・リーン、エジプト人のオマー・シャリフがロシア人を演じるというなんとも国際的な映画である。
 主人公のユーリ・ジバゴは医者で詩人。両親を幼くして亡くし親戚に育てられる。開業医を志し、詩作にも励む。
 ラーラは母親の代わりにパーティーに出席。ラーラはパーティで知り合ったコマロフスキーなる有力者のおっさんに手ごめにされる。ラーラ―にはパーシャという革命家の恋人がいる。そしてユーリも妻子がいるみでラーラとわりない仲となる。
 こうしてあらすじを紹介すると、男女の色恋ざたで近松かいなと思うだろうが、この映画は浄瑠璃にはならん。壮大な大河ドラマとなっているのである。浪速の曽根崎あたりの醤油屋の手代徳兵衛と女郎お初の悲恋物語ではなく、ロシアの医者で詩人のジバゴと看護師ラーラの壮大なラブロマンスである。
 江戸時代の浪速ではなく、革命騒ぎ真っただ中の厳寒のロシアである。元禄の浪速の町方とロシア革命中のロシアの広大な大地。登場人物が同じようなことをやっていても、舞台、時代背景が違うだけで浄瑠璃になるか大作の大河ドラマ映画となるかの違いなのである。