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バイオ燃料,多難な前途

2010-05-12 22:12:26 | 日記

バイオ燃料、先走る期待 国「200万キロリットル」調達に懸念


5月12日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ











バイオ燃料、先走る期待
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(写真:フジサンケイビジネスアイ)
 植物由来の燃料、バイオエタノールを混合したバイオガソリンが今春から、地球温暖化対策の一環として本格的に流通し始めた。政府が今年度の目標に掲げるバイオエタノールの普及量のうち、石油業界が4割強の36万キロリットルを受け持つためだ。政府は目標を今後さらに引き上げる構えだが、大半を輸入に頼っていることから調達できる量には限りがあり、コストもかさむとあって、課題山積ともいえる多難な前途が待ち構えている。

 ◆一気に販売量4倍

 「バイオガソリン取扱店」-。ドライバーにアピールする水色ののぼりが、都市部などのガソリンスタンドで見られるようになった。新日本石油系列は東京、神奈川など関東の約1000店舗。全国の系列店の約1割にあたり、今年度末までに倍増させる計画だ。コスモ石油系列は関東、関西の計410店舗。こちらも系列店の1割強を占めており、さらに拡大していく。

 一方、販売店を固定しないのは出光興産やエクソンモービル系。バイオガソリンとうたうには1%以上の混合が必要だが、「流通や工程の効率化で1%以上を確保できないケースもある」(出光)ためという。

 バイオガソリンは2007年度に全国の50店舗で試験販売が始まり、順次拡大。販売量も徐々に増え、今年度は前年実績の4倍強へと一気に伸びる。

 通常のガソリンと比べて「性能は変わらない」(元売り各社)こともあり、店頭ではドライバーの反応は「環境に優しい」とおおむね好評という。

 もっとも、バイオガソリンには1リットル当たり20~30銭のコストがかかるとされる。バイオエタノールをそのまま混入すると、揮発性が高まって光化学スモッグを誘引しやすくなる恐れがあり、石油の成分の一つであるブタンと混合しガソリンになじみやすいようにしているからだ。

 ただ、ガソリンは販売競争が激しく、価格に転嫁しにくいため、コストは各社の持ち出しだ。バイオエタノール36万キロリットルは原油に換算すると21万キロリットルで、国内で年5500万キロリットル程度にのぼるガソリン需要の約0.4%に過ぎないが、石油需要の減退で収益が悪化する中、コスト削減に取り組む各社はこれ以上の負担を避けたいのが本音だ。

 しかし、政府が策定を進める地球温暖化の中長期ロードマップでは、20年までにエタノールを含むバイオ燃料を原油換算で200万キロリットル導入するという目標も議論の俎上(そじょう)にあがっている。

 石油業界関係者は「ほかに引き受けられる業界はなく、積み上げの大部分を求められるのは確実」と身構える。石油連盟は、政府による財政支援と安定供給の確保などを条件に「50万キロリットルを上限に最大限協力していく」と牽制(けんせい)している。

 ◆国産5万キロリットル程度

 ただ、バイオエタノールの量を増やしながら安定的に調達するのは容易ではない。OECD(経済協力開発機構)とFAO(国連食糧農業機関)によると、バイオエタノール輸出は、ブラジルがほとんどを担う。ブラジルから09年に輸出された約400万キロリットル(推定)のほぼ全量は日本と米国、欧州連合(EU、加盟27カ国)が2対3対4程度の比率で輸入している。

 ブラジルの輸出量は18年には約1163万キロリットルに増える見通しだが、一方で米国が輸入を急増させ、日米欧全体の3分の2を占めると予想されており、日本の調達増に支障が出る恐れは強い。日本国内で生産可能とされるのは年5万キロリットル程度。目標引き上げにはバイオエタノールの確保が欠かせないのが実態だ。(粂博之)


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