「路上のX」 桐野夏生 朝日新聞出版 2017.2.28
う~ん、さすが桐野さん……
はじめの20ページくらいで、これは快くない内容だぞ!
っと、一瞬、読み進むのを躊躇った (^^;
ネグレクト、虐待、DV、レイプ、JKビジネス。
幼い頃から環境に恵まれない者も、
突然、幸せな日常を断ち切られ親に棄てられた者もいる。
最悪な現実と格闘する女子高生たち。
ーー以下、本文よりーー
女子高生に声をかけてくるのは、高校生が御しやすく、安い相手だと見くびっている男がほとんどだ。
彼らは、女子高生が小遣い欲しさに、男から声をかけられるのを待っている存在だと低く見ているのだ。
「でも、JKビジネスやってる子って、みんなお金が欲しくて、切迫詰まってる子が多いんだよ。親がいなくなったり、ネグレクトされたり、すごく貧乏で住む場所もない子とか、家族と一緒にいて、家もあるけと、ものすごく仲が悪くて口も利かないとか、みんな、なんかかんか事情がある子が多い」
叔父の家を出た真由はバイト先でレイプされる。
いっそ児童保護施設に入ろうかと警察に行くが……
施設の厳しさを知らされ、両親が子供を親戚に預けた真相も知る。
信じられる大人はいない。
少女たちだけで自活したいけど、
そのためにはJKビジネスに頼るしかないのか……。
メディアでたまに触れるだけだが、
作中の少女たちのような人々がそれなりに多いだろうと、
容易に想像できて切ない。