「為吉 北町奉行所ものがたり」 宇江佐真理 実業之日本社 2015.8.10
与力、同心、岡っ引き、そしてその家族……。
悲喜交々の人間模様。
久しぶりの宇江佐さん。
もう、新作を読むことはできないのだなぁ。
さて、豆知識を引用しておこう。
ーー岡っ引きの「岡」は岡目八目や岡場所のそれで、正当ではないという意味がある。
脇、あるいは傍から下手人や咎人を引っ張るから岡っ引きなのだ。
岡っ引きは初め、目明しと呼ばれていた。
だが、なまじ同心が後ろ楯になっているものだから、それを利用して町家や商家をいたぶる者もおり、社会問題ともなっていた。
八代将軍吉宗は法の権威を守るため、目明し廃止令を出した。
だが、目明しはなくならず、岡っ引きと名を変えて奉行所の同心は相変わらず使い続けたーー
つまり、岡っ引きは享保あたりからってことで、
鬼平の頃は当然岡っ引き。
目明しが出てくる作品、どんなのがあったかなぁ。