ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「二千七百の夏と冬 上・下」

2015-01-19 23:17:56 | 
「二千七百の夏と冬 上・下」 荻原浩 双葉社 2014.6.22

3.11後の夏、縄文人の青年と弥生人のやはり十代とおぼしき2体の骨が発掘された。
二人は手を繋いでいて、青年のもう一方の手には稲があり、女性は妊娠中らしかった。

二千七百年前の話が展開する。
狩猟し、粟などの種を撒くことは知っていても、収穫まで手をかけることはない縄文人。
部族内に序列はあっても、逆らう人を殺すことはない。

掟にそむいたウルクは、部族を追い出された。
コーミー(米)を手に入れてくれば、戻ってきてもいいと。

彼はコーミーを育てる集落に辿り着く。
こちらの部族は勤勉だ。
何も働かず、人々の上に立つワウ(王)がいる。

 ワウは、着るものも飾り物も食べ物も、他の人よりたくさん持っているのに、もっともっと欲しがってるようだ。

言葉は通じないし、ウルクが知らなかったことばかり。
 中でも不思議なのはイクサだ。
同じ人間が、人間を殺すとは!

この集落に、かつて、自分の集落近くの山で出会った少女・カヒィがいた。
カヒィは、ウルクの言葉も話すことができる。
やがて二人は恋仲になるが、それがバレてクライマックスに向かう。

逃げる二人、追いかけてくる人々~
そして、地揺れが…

時々挿入されている現代が、全体を引き締めているかな?

古代人の言い回し表現についているルビが楽しかった。

 生肉と焼き肝--ぜいたく
神の決めた日--こんにちは
毛のないキッネ--やくたたず
鳥の巣に卵--たぶん
魂届--ダマレ
巣に卵戻ス--すまない
鼻曲がりの卵の数--かぞえきれない
一矢で二頭--すごいな

等々。
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