ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「利休にたずねよ」

2015-09-27 13:29:33 | 日記
「利休にたずねよ」 山本兼一 PHP 2008.11.7

本末転倒かもしれないが……
内容、構成はともかく、随所に観られる山本さんの造詣に感心(^-^;

若き利休に鮮烈な恋があったという伏線が、
周囲の人々の利休への思惑と絡み合う。

秀吉は思う。

利休の店前には、一座の会、一碗の茶をかけがえのないものとして
慈しむ執着と気迫がある。そんなこころを秘めながら、
かろやかに店前してみせる。

家康は思う。

生きることの一大事は、日々すがすがしい朝を迎えることか。

大徳寺高僧・古渓宗陳は考える。

どの宗派の僧にしたところで、法力などありはすまい。
それは、人間のおろかさにつけこんだ坊主の騙りの類である。
法力と称して寄進を得るむさぼりにほかならない。

宗陳に利休が言う。

人は、だれしも毒をもっておりましょう。毒あればこそ、
生きる力も湧いてくるのではありますまいか。
肝心なのは、毒をいかに、志まで高めるかではありますまいか。
高きを目指してむさぼり、凡庸であることに怒り、
愚かなまでに励めばいかがでございましょう。


山本兼一氏の早すぎた死が悼まれる。合掌……
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