マザコン＠角田光代 あらすじ（「BOOK」データベースより）
「あなたはマザコンよ、正真正銘の」妻に言われ、腹立ちまぎれに会社の女の子と寝てしまったぼく。夫より母親を優先する妻のほうこそ、マザコンではないのか。苛立つぼくの脳裏に、死の床から父が伸ばした手を拒む母の姿がよみがえり…表題作ほか、大人になった息子たち娘たちの、母親への様々な想いを描く作品集。疎ましくも慕わしい母と子の関係―胸がしめつけられる、切なくビターな８編。。
いろんなシチュエーションの母と子の関係が描かれています。どれも結論があるようでないような！？ すっきり万事解決という作品ではありません。読み手が考える余地が多い作品だと思います。この作品を読んでいると、私自身も含めて見ようによっては人はみなマザコンかも？なんて思ってしまいました。それがいい悪いではなく、母から受ける影響はどの子供にとっても非常に大きいもので、それがたとえ子供を置いて出ていった母だろうと、文句ばかり言う母だろうと、子供を支配しようとする母だろうと、父親を疎んじてる母だろうと、年をとってボケてしまった母だろうと。ただその母自身もひとりの人間であり、女であり、完ぺきではないというのを受け入れることが子にとって必要なのではないかと感じました。そして母は強い！とあらためて思いました。
完ぺきではないというのを受け入れることが
子にとって必要なのではないかと感じました。」
ということなのでしょうね。
小生は、5歳の時、母を亡くしていますので、母親との
思い出がほとんどありません。
これは、人生最大の不幸のような気がします。
角田さんの本は、あまり読んでいません。
いろんな母と子の形があり、私が思う普通の形はこの作品では描かれていませんでした。
そもそも普通なんてないんですけど。
エゾフクロウさんは早くにお母様を亡くされたのですね。
さみしい思いだけじゃなく、いろいろな気持ちを抱えてらっしゃるのでしょうね。
「人生最大の不幸のような気がします。」そうかもしれませんが、今現在の奥様とのほどよい距離感をもったご関係、お幸せそうです。
角田さんの本、私は好きなんです。
風景の描き方も、登場人物の気持ちの描き方も、わかりやすく、それでいてそんな視点があるのかと驚いたり。
ただ、たぶん女性のほうが共感を持てる作家さんのような気がします。
角田さんが美術にも精通していらっしゃるとは知りませんでした。
食べ物にもこだわりを持ったり、私とはちがって物事をいろいろな角度から見てる人のような気がします。