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食・飲・読の日記

日々の食べたり読んだりを綴ります♪

大江戸科学捜査八丁堀のおゆう@山本巧次

2019-02-27 16:40:09 | 本(や)
  大江戸科学捜査八丁堀のおゆう@山本巧次 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
江戸の両国橋近くに住むおゆうは、老舗の薬種問屋から殺された息子の汚名をそそいでほしいと依頼を受け、同心の伝三郎とともに調査に乗り出す…が彼女の正体はアラサー元OL・関口優佳。家の扉をくぐって江戸と現代で二重生活を送っていたのだー。優佳は現代科学を駆使し謎を解いていくが、いかにして江戸の人間に真実を伝えるのか…。ふたつの時代を行き来しながら事件の真相に迫る!




おゆうは江戸時代にしてはポップな感じがおもしろい、と思ったら、そうか現代の人なのね。江戸時代から現代に戻るときの描写がリアルで、おゆうと一緒に階段を上っているような感覚を味わいました。そこですっかり物語に引き込まれました。江戸の同心である伝三郎はイケメンで頭が切れてやさしい。現代の優佳の友人であり分析オタクの宇田川は変わり者で分析をしていれば幸せなんだ、オタクってそうなんだ、と思っていたら、物の分析から思わぬことまでわかって受け入れる鋭い思考の持ち主。おゆうとこの2人が軸となって江戸で起きた事件の真相を解き明かします。あ、これで解決、と思ったら、まだ真実が見つかっておらず再調査。あ、今度こそ解決、と思ったらまた再調査。あ、とうとう解決、と思ったら事件にかかわる思わぬ人の背後にある心情まで解き明かしたおゆうの推理は見事でした。で、最後の最後、伝三郎の回想が‥ これが気になってこのシリーズの続きを読まずにいられないーーー! 

花ひいらぎの街角 紅雲町珈琲屋こよみ@吉永南央

2018-10-30 18:03:27 | 本(や)
  花ひいらぎの街角 紅雲町珈琲屋こよみ@吉永南央 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
コーヒー豆と和食器の「小蔵屋」店主・お草さんがふと思いたった、心躍る計画。やがて過去の事件の記憶を揺さぶってーヒットシリーズ第6弾。




前作第5弾の読書感想文はこちら
旧友・初乃輔から送られた小包をきっかけに、彼と再会し、彼が約50年前に書いた小説を本に仕立てて贈ろうとするお草さん。そこから大きい印刷会社や町の印刷屋さんとの関わりが広がっていきます。もうおばあさんだ、と自覚するお草さん、そりゃ体が動かなかったり疲れが抜けなかったりはあるけれど、好奇心や行動力、何より頭のキレは私より絶対すごい! 人の言葉、行動、顔色、風景、故人の気配(←!!!)、あらゆるところにアンテナが張られていて、そのアンテナの高度がすごいのよね。個人データ流出事件を見抜いたり、故人の死因を突き止めたり。年を取るという悲しみがありつつ、年を取ることが悲しいことばかりではないということが物語の根底にずっとあります。それがピリッとしたアクセントになっていると思います。日常の一コマからなるおもしろいミステリーでした。今回は小蔵屋で働く元気はつらつな久実ちゃんの恋バナも楽しめました。結局、町の印刷屋の社長さんとはどうにもならないのかな‥

幹事のアッコちゃん@柚木麻子

2018-09-16 17:36:03 | 本(や)
  幹事のアッコちゃん@柚木麻子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
背中をバシッと叩いて導いてくれる、アッコさん節、次々とサク裂!妙に冷めている男性新入社員に、忘年会プロデュースの極意を…(「幹事のアッコちゃん」)。敵意をもってやって来た取材記者に、前向きに仕事に取り組む姿を見せ…(「アンチ・アッコちゃん」)。時間の使い方が下手な“永遠の部下”澤田三智子を、平日の習い事に強制参加させて…(「ケイコのアッコちゃん」)。スパイス絶妙のアドバイスで3人は変わるのか?そして「祭りとアッコちゃん」ではアッコ女史にも一大転機が!?突破の大人気シリーズ第3弾。




アッコちゃんシリーズ第二弾「3時のアッコちゃん」の読書感想文はこちら

アッコさんと初めて出会う人は戦々恐々、そのバイタリティに圧倒されます。が、シリーズ第3弾ともなると、私はアッコさんが登場するとワクワクしちゃいます。アッコさんのペースに巻き込まれて前向きになり、1歩でも前進しようとする人がクローズアップされてきたけど、今回ちょっと異色なのが「アンチ・アッコちゃん」の温子さん。私だって本で読んでいるとアッコさん登場でワクワクするけど、アッコさんが目の前に現れてあれこれ指図したら、温子さんのようにアンチアッコさんになっちゃうかも。アンチと言っても、温子さんは自分の人生に向き合うようになり、前を向くようになったんですけど。温子さんが感じるアッコさんとの相性の悪さ、なんだか共感できました。でもやっぱりパワフルアッコさん大好き。美智子もアッコさんと仕事でかかわって、シリーズ第一弾のころからとっても成長していて拍手を送りたいくらい。今回がシリーズラストなのかな。美智子の夢はアッコさんと働くこと。美智子が60歳になるころ、つまり30年後くらいにしか実現しそうもない夢。ふたりが対等に働いているところ、ぜひ読んでみたいなぁ。

食堂のおばちゃん@山口恵以子

2018-02-11 10:17:53 | 本(や)
  食堂のおばちゃん@山口恵以子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
焼き魚、チキン南蛮、トンカツ、コロッケ、おでん、オムライス、ポテトサラダ、中華風冷や奴…。佃にある「はじめ食堂」は、昼は定食屋、夜は居酒屋を兼ねており、姑の一子と嫁の二三が、仲良く店を切り盛りしている。心と身体と財布に優しい「はじめ食堂」でお腹一杯になれば、明日の元気がわいてくる。テレビ・雑誌などの各メディアで話題となり、続々重版した、元・食堂のおばちゃんが描く、人情食堂小説(著者によるレシピ付き)。




一子さんの若いころのお話「恋するハンバーグ 佃はじめ食堂」の読書感想文はこちら
食堂のおばちゃんというにはあまりにも美人ですてきな一子さん。食堂のおばちゃんというにはちゃきちゃきかっこよすぎで頭の切れも鋭い二三さん。姑と嫁っていう立場だけど、そんなの関係ない! まさに食堂を切り盛りする同志って感じが心地いい!! 一子さんがどんな風にしてこの食堂をやるようになったのか、二三さんがどうしてこの食堂に嫁いできたのか、今ふたりが食堂を切り盛りする中でちょこちょこ明らかにされるところが興味津々でした。思いもかけない出来事があったり、いろいろの積み重ねが作る今のはじめ食堂は、人情味があふれた空間とお料理がご近所さんや常連さんに愛される、そばにあったら絶対に通いたくなる、そんなあったかな雰囲気がじわじわ伝わってきました。二三さんの娘・要(かなめ・女子)、食堂を手伝うようになった要の幼馴染の万里(ばんり・男子)の今後も気になりました。男女あべこべな感じの名前が何だか意味深じゃない!?


3時のアッコちゃん@柚木麻子

2018-01-24 16:25:06 | 本(や)
  3時のアッコちゃん@柚木麻子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
働き女子の悩み、ズバッと解決!明日の元気が湧いてくるサプリメント小説!心においしい短編集。




アッコちゃんシリーズ第一弾「ランチのアッコちゃん」の読書感想文はこちら

アッコちゃんというかわいらしいタイトルだけど、実はバイタリティ溢れるものすごい女性、それがアッコさん。つっけんどんなようでいておせっかい、人や物事の本質を見抜く鋭い感性、さすがアッコさん。四編のうち最初の二編は、アッコさんが悩める子羊をそのパワーで救います。アッコさんは「いずれフードビジネスの頂点に立つつもり」と言っていますが、とっくに立っててもよさそうなパワーや人脈を持っています。会ってみたいな、アッコさん。他二編は関西のお話。四編とも働く女子、悩める女子が背中を押されて前向きになる、そんなパワーをもらえるお話でした。