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食・飲・読の日記

日々の食べたり読んだりを綴ります♪

まひるまの星 紅雲町珈琲屋こよみ@吉永南央

2017-11-01 16:41:26 | 本(や)
  まひるまの星 紅雲町珈琲屋こよみ@吉永南央 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
コーヒー陶と和食器の店「小蔵屋」の敷地に、山車蔵を移転する話が持ち上がった。祭りの音が響く真夏の紅雲町で、草は町全体に関わるある重大な事実に気づくー日常の奥に覗く闇にドキリとする、シリーズ第5弾。




前作第4弾の読書感想文はこちら
お草(そう)さんが経営するお店の敷地に山車蔵を移転する。 = お店の存続ができない。お草さん大ピンチ。でもあわてないのがお草さん。目の前の事実を受け入れるのです。いろいろ策を考えます。でも考えてもしょうがないことは考えない。そして行動に移すべき時に行動する。その行動が誰かを巻き込むことになっても、自分を巻き込むことになっても。年を取ったというお草さんですが、そりゃちょっとは忘れることがあったり、無理して体調を崩したりはしたけれど、年を取ったなんてとんでもない、ピンと背筋を伸ばして突き進む姿はすばらしい! お草さんは周りにいる人と人とのほころびをちょっとずつほどいていって、最後は重大な事実を突き止め、受け止め、頼れる人には頼ってそれを解決する。その様はお見事! お店で一緒に働いている久実ちゃんは豪快であったかくて頼もしくて元気はつらつ、好感が持てます。宅配業者の寺田さんもさりげなくお草さんを支えます。重大な事実を解決するために関わった山上さんと飯野さんは、自分の利と他人の利を区別しない人とお草さんは評するけれど、それはお草さんそのもの。昔の因縁も解決して、ホッとした気持ちで読み終えました。

スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する件@山本ゆり

2017-08-15 15:13:03 | 本(や)
  スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する件@山本ゆり 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
「ティーバッグって1回で捨てますか?」「今日カレーでいいよが腑に落ちない」「舌を噛んだときの孤独について」…etc.あなたが心の隅っこにそっとしまいこんでいた感情を刺激する珠玉のエッセイ集!




お料理ブロガー山本ゆりさんの2冊目のエッセイ集です。
1冊目のエッセイ集の読書感想文はこちら

今回も日常の何気ないひとこまを切り取る視点がすごいですっ! それに賛同したり、いやちがうなと思ったり。ちなみに私はスタバでは普通のコーヒーをよく頼むんですけど、この「スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する」っていう記事がブログにアップされてから、割となんとかかんとかストロベリーとか頼んじゃってます。ほぉそういう感じ方、考え方があるのかって思ったら、普通のコーヒーじゃないのものも頼めるようになりました。ちなみにちなみにティーバッグは1回で捨てますが、カレーでいいよは腑に落ちません。って本を読んでるんだけど、会話している気分になるんです、このエッセイ。笑っちゃうこと多々。「5章きっと大丈夫」ではいいことがたくさん書いてあるんだけど、「そんなにうまくいかないよ」「そんなのきれいごと」って普段なら反論したくなるんだけど、山本ゆりさんの文章だと、ふっと肩の力が抜けるような、優しさに包まれます。あとね、食べ物。いろいろ出てくるんだけど、どれもこれもムシャッと食べたくなります。えぇえぇ今日はコンビニでエッセイに書かれていた薄皮クリームパン5個入りを見て、思わず買いそうになりました。そうそう、ご自身で書かれているイラストにも癒されました。

恋するハンバーグ 佃はじめ食堂@山口恵以子

2017-06-23 17:04:03 | 本(や)
  恋するハンバーグ 佃はじめ食堂@山口恵以子 

あらすじ(内容紹介)
帝都ホテルで副料理長をしていた孝蔵は妻の一子と、実家のある佃で洋食屋「はじめ食堂」をオープンさせた。無銭飲食の客に親切にしたり、近所に泥棒が入ったり、息子の高が行方不明になったり……と色々事件はありながらも、温かな常連客に囲まれて、今日も「はじめ食堂」は大にぎわい。続々重版した『食堂のおばちゃん』の昭和を描く、最高に美味しくて、人情味あふれる下町の洋食屋物語。巻末に著者のレシピ付き。




この内容紹介を読んで初めてわかりました。「食堂のおばちゃん」という本に登場する一子さんの若い時の物語のようです。「食堂のおばちゃん」から読んだほうがよかったのかな!? 私、こういうのの順番、割と気にしちゃうほうです。が、今さらしょうがないですね。
さて、主人公は男前の孝蔵と美人の一子。美男美女です。が、このふたり、そう、ふたりとも気取ったところがなく人情に厚く、やること言うことが男前でかっこいい! 江戸っ子だからか、しゃべり口調もちゃきちゃきしてる。ちょっときつくも聞こえるけど、読んでいるうちにだんだん慣れてきました。時代は昭和40年代、例えばオリンピックや万博など、実際にあった出来事も描かれているので、わかりやすかったです。映画、3丁目の夕陽を思い出しました。どんな時代でも、人はそれぞれ悩みや問題を抱えています。この物語に出てくる人たちは、素直でお人よし、がんばり屋さんが多いかな。そんな人たちを見守り、アドバイスしたり、実際に行動に起こすことはなかなか難しい。それをこのふたりはやってのけるのです。周りの人のことを普段から思っているからこそできること。そんな夫婦の食堂には、もちろんおいしいごはんも登場します。がぜん洋食が食べたくなりました! 最後のお話で従業員の亮介はある決断をします。意外だったけどがんばってほしいな。


嘆きの美女@柚木麻子

2017-04-28 18:03:21 | 本(や)
  嘆きの美女@柚木麻子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
ほぼ引きこもり、外見だけでなく性格も「ブス」、ネットに悪口ばかり書き連ねる耶居子。あるとき美人ばかりがブログを公開している「嘆きの美女」というHPに出会い、ある出来事をきっかけに彼女たちと同居するハメに。全女性に送る成長小説。




主人公の耶居子は引きこもり、ブス、デブ、というので、ネガティブな思考と行動つまりは考えているだけで何もしないだろうと思い込んで読んでるものだから、耶居子のアクティブな行動や発言に頭が混乱してしまいました。耶居子は攻撃的だったのです。そんな耶居子を美人たちはうらやましがるのです。私は耶居子と同じく美人たちをうらやましく思ったけど。ブス(と思い込んでいる)耶居子と美人たちが一緒に生活して、化学反応が起きるみたいに物事が思いがけない方向に動きだし、いいことがあったり、いやなことがあったり。試練に立ち向かい、みんな自分の殻を破って、自分を認め他人を受け入れる、すてきな人に成長していく姿に惹きつけられました。最後の「耶居子のごはん日記」、その後のみんなの様子や食べ物の描写にワクワクしちゃいました!

ランチのアッコちゃん@柚木麻子

2016-11-17 16:51:05 | 本(や)
  ランチのアッコちゃん@柚木麻子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
地味な派遣社員の三智子は彼氏にフラれて落ち込み、食欲もなかった。そこへ雲の上の存在である黒川敦子部長、通称“アッコさん”から声がかかる。「一週間、ランチを取り替えっこしましょう」。気乗りがしない三智子だったが、アッコさんの不思議なランチコースを巡るうち、少しずつ変わっていく自分に気づく(表題作)。読むほどに心が弾んでくる魔法の四編。読むとどんどん元気が出るスペシャルビタミン小説!




ランチのアッコちゃんというタイトルから、さぞかしかわいいアッコちゃんが登場すると思い込んで読み始めると‥ 部長アッコさん登場! そしてランチを取り替えるっていうからおべんとう交換かと思いきや、取り替えっ子相手の地味な事務員美智子はアッコちゃんがいつも外食しているお店に行かされるっていう意外な展開にびっくり。が、アッコさんが会社の外で見せている顔はまさにアッコちゃん! そのどんでん返しの見事さに思わず笑っちゃいました。アッコさんがいると、その場にエネルギーが満ち溢れ世界が動き出すようで、ワクワクしました。そのワクワクを味わっているのが地味な美智子。地味だけどいい子なの。共感できる。ついついYESって言っちゃうとか、人の言うことに流されちゃうとか。そんな美智子もアッコちゃんのパワーをもらってアクティブなすてき女子になっちゃう。アッコちゃんすごいよーーー! 私も元気もらいました!
四編のうちランチのアッコちゃん、夜食のアッコちゃんはこの2人がメインでおもしろかったです。後の二編は一瞬この2人が登場するんだけど、うーん、そんなに心惹かれませんでした。残念‥