2018年9月6日(木)曇りのち雷雨のち曇り 27~26℃
指宿ー(フェリー)ー根占ー佐多ー佐多岬ー根占ー(フェリー)-指宿
走行距離:79.3Km 平均時速:16.1Km/h 最高速度:53.3Km/h 登坂累計:720m 最高標高:173m
天気予報では午前9時から雨。指宿を8時のフェリーで出発すれば8時半には根占から走り始めることが出来るので最初の30分は濡れずに走れるかも知れない。
朝6時20分に部屋を抜け出し、カップラーメン、バナナ、パン、コーヒーをリビングで食べて出発準備をしました。リュックにタイヤチューブとタイヤレバーと六角レンチ、行動食のナッツとあんぱん、帰りのフェリーで防寒具として雨具の上着とアームカバー、記録用具としてのノート+ボールペン+スマホを入れました。ゲストハウスに連泊するので着替えとテント・寝袋などのキャンプ用品(サドルバッグ全部)をゲストハウスに置いて行くことにしました。自転車にはエアポンプ、水筒(紅茶500cc)、サイクルメーター、ガーミンetrexVISTAとテールライトが装備してありました。
7時半にゲストハウスを出発して1.6Km走りフェリー「なんきゅう10号」の待合所に着きましたが誰もいません。
ドアを開けるとチケットの自販機があり、人は1,000円、自転車は500円でした。
チケットを買ったお婆さんは80歳。鹿屋にあるお墓詣りに毎月行ってるけど今まで山川からのフェリーを利用しており「一度指宿からのフェリーに乗ってみたかった」と初めて利用するそうです。その人の後を追って桟橋へ行くと新しい船が係留されていました。ニコニコした係員のお兄さんが「乗っていいよ」と言ってくれたので自転車と一緒に乗り込みました。
港の地上職員かと思っていた優しいお兄さんは船長さんでした。船が新しいので聞いてみると昨年春に三重の造船所から海上を操船して指宿まで運んだと話してくれました。春一番で海が荒れて四国では厳しかったそうです。
定刻の8時に合計3人の乗船客を乗せて出港しました。鹿屋へ行くお婆さんが「北海道で地震があった」と教えてくれました。8時20分過ぎに根占港に着き、25分から走り始めることが出来ました。
根占道の駅を過ぎる頃パラパラ雨が降り始めたのでリュックに雨カバーを掛けました。でもその後路面は濡れていましたが雨は殆ど降りませんでした。
足元はSPDサンダル、下はレーパン(下着無し)、上はサイクルジャージ。レーパンは水着と殆ど同じだから濡れても気になりません。上着も十分暖かいから雨が降っても雨具を着ずにそのまま濡れて走るつもりです。夏だから雨に濡れ続けても低体温症にはならないと判断したから。
9時29分、根占港から18.2Km走ってAコープ佐多店に着きトイレ休憩。水筒のお茶を飲み切ったのでスポーツ飲料を買って水筒に補給しました。
ここから先には店がありませんがリュックにはパンが入っているので食料としては十分だろう。
雨が降る前に少しでも進みたいので用済み後即出発しました。ここからは長いダラダラ登り坂。進むほど雨が降ってきましたが小降りでした。停まって写真を撮る気になれないし、写真に撮って良さそうな景色もない。ルートラボで作った走行ルートです。
約200mの峠を越えて下っていると雷がゴロゴロ鳴り始め、雨も本降りになってきました。ホテル佐多岬の看板を見つけたので県道566号を外れてホテルのロビーへ行きました。南大隅町で最南端へ行った証明書を発行する条件がホテル佐多岬で証明書を買うこととなっていたからです。
300円支払うと名前と日付が入った証明書を渡されました。
これを持って町役場へ行けば公式の役場が発行する証明書がもらえるのかな?・・・と思っていたら「これはプレゼントです」と町長発行の公式の証明書がもう1枚付いてきた。まだ佐多岬まで行けてないのに証明書を入手できるなんておかしい!
雨が強くなってきましたが、ホテルから7.5Km先の岬を目指しました。
本降りの雨が激しい雨になって行きました。車のワイパーを高速にしないと前方が見えない程の強い雨です。ヘルメットの隙間から頭皮に大粒の雨が当たります。屋外プールで泳いでいて雨が降ると水面上に挙げた腕に冷たい雨がポツポツ当たるのが解りますが、それがもっと強くなった感じです。自由形で泳ぐと片腕づつ雨が当たるのですが、自転車では両腕を休みなく雨粒が叩きつけます。
上り坂で暑くなるのでサングラスの内側が蒸気で曇り、サングラスの外は雨粒が付いて視界は悪くなりますが、下り坂では目に雨が入るのでサングラスを外せません。滝行ってした事はありませんが、サイクリングと言うより水に打たれる修行をしている気がしました。
遠くで鳴っていた雷が近くなり、光ると同時にガアーン!と大きい音がして焦げ臭い臭いがしました。2~3Km以内の木に雷が落ちたようです。
道路の両サイドは木立だから路肩ギリギりを走れば自転車に雷が落ちずに木に落ちてくれるだろう。避雷針から45度の内側には雷は落ちないはず!
そう思って路肩の白い線の上を走りました。雷に打たれたら即死するんだろうか?ずぶ濡れだから全身の表面の水が導体となって雷を地面に逃がしてくれるから死ぬことは無いのかな?ショックで倒れたら車の運転手は見つけてくれるだろうか?・・・車は殆ど通りませんでした。
佐多岬まであと2.5Kmの掲示板がある所まで来て、激しい雨は我慢出来るけど、カミナリは本当に命の危険を感じるので、¥「無理せずに引き上げよう」と思いました。最終目的地では無いけど、無理して死んだら笑い者になってしまう。
「悔しいから2.5Kmの看板だけでも証拠写真に残そう」とスタンドが無い自転車をポールに立てました。リュックの雨カバーを外し、雨がリュックに入らない様に腰を曲げて背中を傘替わりしてスマホを取り出しました。ヘルメット、顎、ジャージの胸からポタポタ落ちる水滴がスマホにかからない様に気をつけながら撮った写真ですが、激しい雨が写っていない。(10時58分)
リュックにスマホを入れて雨カバーを付け、方向転換して根占に向かってSPDサンダルのクリートをペダルにカチッとセットして踏み始めた瞬間「折角ここまで来たのに2.5Kmで引き返すなんて悔しい!」と思い直してUターンし、佐多岬を目指すことしました。雨は土砂降りだけど、雷が遠のいて行く様子だったのが決断を変更する気持ちになれた理由かもしれません。
その先も上り坂がありましたが、頑張ってペダルを踏み続けると「北緯31度線モニュメント」がありました。
まだ着かないのかな・・しばらく進むと「観光案内所」があり、軒下で駐車場を見ていた人が「自転車は雨がかからないここへ置くといい」と手招きしてくれました。自転車を置くと「こんな雷の中で走るなんて危ないから何処かで避難しなかったのか?!」と驚かれました。バイクのライダー2人も観光案内所内で雨宿りをしていました。自撮り棒を持参していましたが雨の中で使いたくないので軒下の人に「その場所からでいいから写真を撮ってください」とお願いしたのがガジュマル前での写真です。
雨が少し小降りになったので展望台のスタンドにスマホを置いて記念写真を撮り、海を見ましたが天気が悪いので綺麗ではなかった。
リュックのあんぱんを食べ、水筒のポカリスエットを飲んで栄養補給。近くに落雷があったのか、観光案内所が停電になり電灯が消えましたが、ペットボトルのお茶を買うことが出来ました。もう少し待てば雨雲が行ってしまうと観光案内所の人は言ってたけど、止みそうにないので根占港へ戻ることにしました。同じ道を走るのは楽しくないし、雨が来る時より強いのでスピードが出せない。
午後1時過ぎにAコープ佐多店まで戻ることが出来ました。飲み物を買う為にポタポタ服から水を落とすのはマナー違反だろうと、手袋を絞ると大量の水が出ました。ジャージを脱いで上半身裸になり、ジャージを絞ってから店内に入りました。Aコープから走り始めると雨は小雨になりました。
午後2時15分根占港に戻った時には雨が止みました。行きのAコープを過ぎた10時頃から、帰りのAコープから根占の途中(13:40頃)まで、約4時間は雨が降り、その中で2時間は激しい雨が降りました。午後2時半の山川行きのフェリーに、佐多岬の観光案内所で雨宿りしていたライダーが乗って行きました。藤井寺ナンバーの125ccのホンダのバイク「グロム」でした。まだ自転車で旅するパワーはあるけど、バイクの旅も良さそう。
車体もハンドルテープも前後の4つのパニアバッグも黄色のチャリダーが来たので「そんな重装備で佐多岬へ行ったのか?」と尋ねると佐多岬へは行ってないとのことでした。
3時半頃、ゲストハウスの同室のダニエルが待合所にやってきました。朝5時半に起きて指宿駅から山川駅までJRで行き、山川港からのフェリーで根占に渡り観光バスで佐多岬へ行ったそうです。10時半に佐多岬に着いたけど雷雨が激しいのでガイドさんに止められて暫く観光案内所で雨宿りをしたそうです。バスの窓から豪雨の中を自転車で走る僕を見たと言っていました。
4時のフェリーに乗りましたがずぶ濡れなのでエアコンが効いた船室には入らず後部デッキのエアコンの室外機の温風の前でレーパンを乾かしていました。ジャージもサンダルも濡れたままでしたが、薄い素材で速乾性のあるレーパンは指宿に着いた時には殆ど乾いていました。
港から歩いて帰るダニエルさんと別れてゲストハウスに戻り、シャワーを浴びてレーパンとジャージをハンガーにかけて乾かしました。
雨降りの佐多岬だったけど、雷に打たれなかったし、パンクもしなかった。500ccのペットボトル4本とあんぱんで熱中症とは無関係の思えば楽しいサイクリングが出来ました。
コンビニ弁当を宿で食べていると、オーナーから「もう年金生活で時間が十分あるのだから、18切符が使える期間に旅しようなんてケチくさい事を考えないで暑くない快適な季節、11月頃にでも来ればいい」と言われました。
夏の指宿は暑くてキャンプは快適ではないらしい。キャンプをしていて暑くて寝れないからゲストハウスに来るお客さんが居ると言われていました。
佐多岬では激しい雨が降ったのに、指宿では雨は全く降らなかったそうです。
旅の時期、自転車もいいけど、バイクも含めて色んな旅の仕方を考えたいと思いました。