ドジ男の自転車旅行

自転車の旅を写真付きで書きます。

第15日 ポルトマリン (15th day Portmarin)

2014-09-30 09:26:15 | spain
9月5日 曇り
Sarria―Paradela―Portomarin

走行:25.4Km 累積距離:757.6Km 平均時速:12.5Km/h 登坂積算/日:372m 標高最高:634m
宿:アルベルゲ 6ユーロ N42.48.30.2,W7.36.54.0

朝8時に出発。海抜455mのサリアから巡礼路は660mの峠を越えるが自動車道LU633も上り坂が続く。路面の白いペイントは「ロータリーを回って左へ行け」とメッセージを伝えてくれるのでありがたい。途中で巡礼路と車道が交差しており多くの巡礼者と遭遇。






9:53、Paradelaを通過し、下り坂が終わる頃ドロヨケとタイヤの溝に付いた石でも当るのかカリカリ異音がしたので停まってみると後輪がパンクしていた。何故?と思ってタイヤを調べると太さが1ミリくらいの針金が突き刺さり5センチほど出ていた。荷物を降ろし、タイヤを外してチューブを交換。



タイヤに空気を入れて修理が確実だったのかチェックしているとリヤカーを引っ張った巡礼の若者が心配して「どうしたんだ?」「何か助けることはあるか?」と声を掛けてくれた。「パンクしてチューブ交換を終わりチェックしているからきっと大丈夫」と答えると彼は「ポルトマリンまであと2~3キロだから修理が不完全で途中で空気が抜けても歩いて行けるから頑張って!」と言い残して去って行った。困っている時に声を掛けてもらえるって嬉しいものだ。

降ろした荷物を積み、タイヤの状態を少し見て良さそうだったので約1時間後にポルトマリンに向かって走行開始。橋を渡りポルトマリンの町に入る道で声を掛けてくれたリヤカーの青年を追い越した。


11時過ぎポルトマリンの教会でスタンプを頂き、このまま進むのは再度パンクした時に交換するチューブが無いので穴が開いたチューブにパッチゴムを貼り付けて使える状態に修理することにした。アルベルゲで水桶を借りてチューブの穴の位置を確認したいけどさてどこにアルベルゲがあるのかなあ??と教会の前で考えていたらリヤカーの青年が来て「自分はスペイン語が話せるので困っている事がないか?通訳してあげるよ」と言ってくれた。チューブを購入するか修理したい旨伝えると彼は地元の人に聞いて「自転車店は無いので購入は出来ないが、近くに自動車修理店があり修理ならしてくれるだろう」とその店の場所を教えて頂いた。修理工場でチューブを見せ、空気入れでチューブを加圧して空気が抜けていることを見せると2箇所穴が開いていると2つのパッチゴムを貼って修理が完了。いくら?と尋ねると手を振って「要らない」と言う。「ブエン・カミーノ!」(巡礼頑張れよ!)と言われニッコリされた。グラシアス!としか言えなかった。ありがたい事だ。


チューブが直ったので次の町まで出発しようか、それとも少し食べてからにしようか??と思っていたら「アミーゴ・ハポネス!」と陽気な大きい声が聞こえ振り向くとポンフェラーダで別れてしまったホアキンとミゲルだった。


パンクした事を伝え、この先進むかどうか迷っていると話した。彼らはポルトマリンで泊まると聞き、僕も今日はここで泊まる事にした。1時のチェックインを待ち、一緒にメニューを食べました。



ホアキンは「もうすぐ沖縄の女性が来る」と言う。やって来たのはサリアのスーパーで見かけた女性だった。


アルベルゲに戻ると日本人が6人、韓国人1人、中国人1人。ワインパーティーをすると言うので輪の中に入れて頂いた。韓国人はポンフェラーダで出合った金さん。自転車と同じスピードで歩ける訳ないと思ったら途中でバスに乗ったらしい。中国人の王さんはスペインの大学に3年留学しておりスペイン語がペラペラ。サリアから歩き始めた絵美さん、ポルトから逆コースをサンジャンまで行く吉村君。姉妹で歩いている當間さん。錦糸町の濱松さん。色んな巡礼をしている日本人が偶然多く集まったのでワイワイ遅くまで歓談していました。




8時から教会前でバグパイプのパフォーマンスがありました。
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第14日 サリア (14th day Sarria)

2014-09-29 20:29:33 | spain
9月4日 霧雨(雲の中)のち曇り 16~18℃
Cebreiro―Alto San Roque―Triacastela―Samos―Sarria

走行:45.0Km 累積距離:732.2Km 平均時速:15.1Km/h 登坂積算/日:381m 標高最高:1337m
宿:アルベルゲ 10ユーロ N42.46.38.7,W7.24.54.6

朝6時に起きて外を見るとまだ雲の中。視界が悪いので8時になったら下山することにした。自転車は屋根の下に駐輪しておいたが霧で濡れてボトボト。洗濯場からこっそり建屋内に自転車を入れて出発準備をした。今日はスペインへ来て初めての雨装備。リュックカバー、雨具の上下を着た。
8:10出発。バルにて下山の道を確認。LU633を下ります。



サン・ロケ峠には風で帽子が飛ばないよう押さえる巡礼像があります。歩いている巡礼者が記念写真用に自分の杖を貸してくれました。


セブレイロから下り坂と思っていたのに登り坂。まだ登りがあると白い文字が教えてくれます。標高が高くなるとまた雲の中。セブレイロより高い1335mの峠がありました。




ここから7%の下りがありましたが車が少なくカーブも大きいので気持ちよくダウンヒルを楽しめました。


9時40分、トリアカステーラのアルベルゲでスタンプを押す。自転車巡礼では最後の200Kmの区間にて1日2個以上のスタンプを集める必要があるのです。


10時半、サモス到着。サモス修道院の全景が見える橋で巡礼者に写真を撮って頂きました。カフェテリアにてスペインのサンドイッチBocadillo(ボカディージョ)とミルクコーヒー(カフェ・コン・レチェ)。かなりのボリュームです。




12時、サリアのアルベルゲにチェックイン。公営の宿を見つけられなかったので私立。料金は10ユーロでしたが1番目に部屋に入ったので2段ベッド5台、1段ベッド3台の13人部屋の中の個室の様に独立したベッドを確保出来たしwifiが使え、充電も自由に出来た。自転車は雨でも濡れない場所に置けました。





この宿がある歴史地区を歩いてみた。通りに7軒のアルベルゲがあり8ユーロが相場?レストランやバルが多くあり、スーパーもあるが品揃えは少ない。




レストランのメニューは8.5ユーロ。いつもの様に水でなくワインとパン。1皿目はガリシアのスープCaldo Gallego(カルド・ガジェーゴ)。じゃが芋と白花豆の優しい味です。2皿目はステーキ。デザートは桃でした。





歴史地区を下りた所にある大型スーパーで明日の朝用に食材を買い込み10時就寝。
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第13日 セブレイロ (13th day O Cebreiro)

2014-09-28 15:59:09 | spain
9月3日 晴れ、夕方霧(雲の中) 16~18℃
Ponferrada―Villafranca del BierzoーVega de Valcarce―La FabaーO Cebreiro

走行:56.7Km 累積距離:687.2Km 平均時速:10.6Km/h 登坂積算/日:926m 標高最高:1319m
宿:アルベルゲ 6ユーロ N42.42.27.9,W7.02.46.1

歩きの人達は6時半には殆ど出発した。7時に管理人が来て「あと30分」と出発を促し室内灯を点けていった。
スペインのアミーゴはミゲルと話していて彼等を待っていられないので7時20分に一人で出発した。町の出口にライトアップされた城(Castillo de los Templarios)が見え、多くの巡礼者が写真を撮っていたので僕も撮ってもらった。ヘルメットライトを消さなかったので光っている。



国道N-V1では遠回りなので途中からGPSを頼りに細い道を走ったが梨畑は目的地からどんどん遠ざかる。無駄に遠回りしてカカベーロスにやっと戻れた。




9時過ぎ、ビジャフランカ・デル・ビエルソのアルベルゲでスタンプを頂く。


国道の横に舗装された歩道があり安全。小鳥が鳴き、バルカルセ川の清流の音、栗の実があって信州の高原の様な爽やかさ。




学生の団体が歌を歌いながら歩いている。峠越えの厳しい一日のはずだけどベガ・デ・バルカルセまでは楽しい道。
トラバデーロのアルベルゲに寄ってみたが閉まっていた。



当初、泊まる予定だったベガ・デ・バルカルセはアルベルゲやペンションが多くあり素敵な環境のようだったがまだ11時で体力が残っていたし、スペインチャリダーのアミーゴが「今日はセブレイロまで行く」と言っていたのでそのまま進むことにした。


体力が無さそうなカップルが山道を登って行ったので僕もN-V!を迂回しないで山道に入ったがすぐ押し歩きになってしまった。


蝿か虻が顔の回りをうっとおしく飛ぶがキツイ坂なので口で息をしていたらその虫を飲み込んでしまった。


午後1時、ラグーナ・デ・カスティージャでアクエリアスを飲んでまだまだ続く登り坂を行く。ここでも矢印やUP、PUSHなど白い文字が元気づけてくれるし、景色のいい所ではLOOKとメッセージがあったりする。頂上には「ガリシアへようこそ」と書いてあった。




13:40、セブレイロのアルベルゲにチェックイン。ガリシアの公営アルベルゲは州政府XUNTAのシンボルがある。山の下の景色が綺麗な宿です。




人口50人の小さい集落だけどロマネスクのサンタ・マリア・ラ・レアル教会があり、ケルトの時代から伝わるパジョッサがある。




16:40、フッと気がついて外を見るとガスで真っ白。それまで下界が見えていたのに何も見えない。ジャージを洗濯して外に干していたが乾くのでなくジットリ濡れていた。長袖のシャツを着ていたが寒くてフリースを初めて着た。


19時、霧で白い中を一番近いレストランまで行きメニューを注文。山越えを祝してワイン1本を飲み干したがすっかり酔っ払ってしまって食事代の10ユーロを支払った記憶が全く無い。転ばない様に1歩1歩歩いたことやアルベルゲの前のベンチに座っていたドイツからのオジサンと話した記憶はあるんだけど・・。


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第12日 ポンフェラーダ (12th day Ponferrada)

2014-09-27 17:22:54 | spain
9月2日 晴れ、夕方一時雨 10.7~29℃
Astorga―Santa Colomba de Somoza―Rabanal del Camino―Foncebadon―Acebo―Molinaseca―Ponferrada

走行:58.4Km 累積距離:630.5Km 平均時速:11.7Km/h 登坂積算/日:659m 標高最高:1502m
宿:アルベルゲ 5ユーロ N42.32.36.5,W6.35.11.4

6時に起きてパン、リンゴ、オレンジジュースの朝食を食べ、7時には出発。かなり暗いけどヘルメットライトで走行し、簡単に国道に出た。日の出は7時50分。



巡礼路に沿った舗装道路があるようですが、スピードを出せそうな迂回路(LE142)を走りました。サンダルの足が少し冷たいなあと思って温度計を見ると10.7℃だった。


2時間走って9時にはラバナル・デル・カミーノに到着。コーヒーを飲みスタンプを押してもらっていよいよ峠道。


ここからはペダルを踏めずに自転車を押して歩きました。時々自転車が追い抜いて行きます。一人ポッチで寂しいなあ・・と思っていると白いスプレーで「UP」とか「PUSH」と路面に書いてある。峠の上には「ご苦労さん」のニコニコマーク。下り坂が急な所やカーブの手前で原則が必要な場所には「SLOW」と書いてあって励まされます。



フォンセバドンを過ぎてもまだ登り坂が続きます。後ろを振り返るとまっ平らだったメセタとお別れなんだなあと思う山岳風景。



約1時間半、黙々と押し歩いて遂に「鉄の十字架」Le Crus de Ferroに着いた。標高は1502m。歩く人達も記念写真を撮っている。巡礼路はこの先のイラゴ峠1505mを通過するが自転車道(LT142)はここから下り坂。


車は自転車と1.5mの間隔を守れと書いてあったが、この先の警告表示では「15Kmの区間は自転車走行に気をつけろ」と書いてあった。でも下り始めるとあまりに急坂過ぎてブレーキの摩擦によりリムが火傷しそうなくらい熱くなり、このままブレーキを掛けて走っているとブレーキのゴムが熱で溶けてコントロール不能になるんじゃないか!と不安になった。


ダウンヒルを楽しむのでなくて、自転車に引きずられながら歩いて下りて行った。しばらく行くと救急車が停まっており、自転車が路肩に転がっていた。マウンテンバイクの若者がスピードを出し過ぎてカーブが曲がれずに飛び出してしまい転倒したようだった。


ポーランドから一人旅の自転車お姉さんは「こんな所でスピード出すなんて自殺行為だよね」と言い、写真を撮りながらゆっくりゆっくり走っていた、彼女の自転車はディスクブレーキが付いているから急坂でもブレーキを掛けることが出来るのだろう。



アセーボ村の出口にある自転車のモニュメントは1988年に事故で亡くなったドイツ人自転車巡礼の慰霊塔だと出発前に読んだ本に書いてあったのをしっかり憶えていたから僕は安全第一で無理せず歩いて下った。これがそのモニュメントか!と頭を下げ、この先も事故が無いようにとお祈りした。ここから先は斜度が緩やかになったので自転車で走って下りた。


12時、モリーナセカのお店でバナナ1本を買って食べ、スタンプを押した。自転車巡礼は最後の200Kmの区間では1日2個以上のスタンプが無いとサンティアゴに着いた時に巡礼した証明書が頂けない。


12時45分ポンフェラーダのアルベルゲに着くと「アミーゴ・ハポネス」と陽気な声!殆ど英語が話せないスペインチャリダーと3回目の遭遇。今回はコロンビア出身のカナダ人ミゲルが一緒なので彼が英語で通訳してくれるので助かる。アルベルゲの受付が1時からとなっていたが1時半になっても始まらない。一人だったら不安だけど、今日はナバラのチャリダーが一緒なので心強い。




午後2時チェックイン。テーブルを持出して2人が名前の確認、歩きか自転車の区別、出発地点を聞いてリストに記入して行き、サインを求められる。ここの料金はゼロだけど寄付金用のボックスを出される。アミーゴが5ユーロを入れたので僕も5ユーロを寄付した。一人が冷たいレモン水をコップに入れて渡してくれ、もう一人がベッドのある部屋まで連れて行ってくれる。8人部屋だった。今までで一番朝のチェックアウト時間が早い:7時半だ!アミーゴが自転車の置き場や洗濯場へ連れて行ってくれた。






スーパーで買物をして一人で食べた。すっごく可愛い韓国の女の子が「食べませんか?」とメロンを少し差し入れしてくれた。


坂が厳しかったし、事故を見たからか今日はグッタリ疲れた。夕方雨が降る。雨に濡れた自転車が可哀そう。
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第11日 アストルガ (11th day Astorga)

2014-09-26 21:53:53 | spain
9月1日 晴れ 12~28℃
Leon―La Virgen del Camino―Villadangos del Paramo―Hospital de Orbigo―Astorga

走行:49.3Km 累積距離:572.1Km 平均時速:15.7Km/h 登坂積算/日:287m 標高最高:923m
宿:アルベルゲ 5ユーロ N42.27.10.9,W6.03.04.6

6時20分起床。ドイツ女性に朝起こしてネ!と言われていたので朝寝坊してはいけないと思ってよく寝れなかった。
ロビーで菓子パンやチョリソの食事をしているともう出発する人が居る。巡礼の人も泊まっているらしい。

暗い中、自転車に荷物を縛り付けているとスペイン人チャリダーも出発準備していた。大きい町では出口を見つけるのが大変だけど、スペインチャリダーの後を走ったので容易にアストルガへの出口が見付かった(暗いとGPSがよく見えない)。



この町の出口のN120はまるで自動車専用道路の様でちょっと危険だけど、すぐ安全な国道になった。走りながらポケットからデジカメを出して自分の影を撮る余裕もある。




8;50、あと28Kmの表示の後、ビジャダンゴス・デル・パーラモのアルベルゲが道路の右にあったので閉まっていたドアをノックすると管理人のオバサンがスタンプを押してくれました。


フッと空を見ると雲は全て飛行機雲。川や山が無いから雲が発生しないで飛行機が飛んだ軌跡だけが雲になるのかな?車が時々追い抜いて行く。国道の横を巡礼者が歩いている。



9:40、オスタル・デ・オールビゴ。すっかりスペインの走り方に慣れて、レストランを見つけると「カフェ・コン・レチェ」。


少し坂があり、山も見えるようになった。


アストルガ到着前、道路が閉鎖されている。どうしたんだろう?と思っているとトラックのオヤジさんが「上だよ!」とスロープを教えてくれた。鉄道の線路を跨ぐことは解ったけど、車はどうするのか案内標識が無かった。



教会の建物なのか塔が立派。教会の前に出たがアルベルゲが見当たらない。警察があったので聞きに行った。行き過ぎているので戻ってアルベルゲを発見。モニュメントの前の建物がアルベルゲ。




12時前にチェックイン。受付の女性はドイツ人のボランティアで日本人の「セイコ」が居るよ!と言うけど聞き違いかな?と思っていた。洗濯物を干し、食料を買おうと思って受付の前に行くと「セイコ」さんが居た。「お昼が未だならテンプラを揚げたから一緒に食べましょう」と誘って頂き従業員用のキッチンで素麺と天麩羅の和食をご馳走になった。神奈川出身の黒川誠子さん。ボランティアで働いているそうだ。受付のボードに日本語のメッセージが貼ってある。




アストルガにはガウディ作の司教館があります。巡礼路博物館になっていますが、閉まっていました




夕方の町で9ユーロのメニューを食べました。スペインワインはいつも美味しい。デザートにフルーツを選びましたがキイウィがコロンと1個出てきました。これで9ユーロ。




宿に帰って自転車置き場をチェックすると30台ほどの自転車がありました。部屋の名前はトリア。ドイツのモーゼル川の上流の町。昨年の夏に見た景色が部屋の外の通路に掲示してある。僕の上のベッドはドイツ女性のアン・ウェーバーさん。


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