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宝満山研究会(山岳宗教遺跡の保全と研究)

大宰府の北東に聳える宝満山の歴史的価値を掘り起こし、山の保全を考える会です。

薬王寺廃寺1

2008-04-13 | Weblog
宝満34次で発見された礎石建物は
出土遺物から9世紀後半から10世紀の創建とみられます。
この時期に山岳で明確に遺構が確認されている類例は
九州に於いてはまだまだ多くはないようです。

今日は古賀市の薬王寺廃寺をご紹介しましょう。

薬王寺温泉の入り口にある県が整備した河内池を見下ろす
鋤先山(標高249m)の東斜面にそれはあります。


遺跡は調査後に保護のために埋め戻されています。
斜面を削って造り出した4段ほどの段があります。
2段目の広い段の中に石を用いた14×12mの低い基壇があり、
その上に4×5間の礎石建物がありました。

基壇前面

東側礎石列

参考資料;『甍の波薬王寺廃寺と古賀の瓦業』2001古賀市立歴史資料館

那珂川町一ノ瀬の磨崖仏

2008-04-12 | Weblog

 今日は遠出をして筑紫郡那珂川町一ノ瀬にある
線刻の磨崖仏を那珂川町郷土史会の方々の
ご案内で見学してきました。

脊振山塊から北に派生した峰中に
かつて頭風山南林寺があったとされる
西斜面にそれはありました。
おおよそ10箇所に露頭した花崗岩塊を利用して
線刻で表現した仏像や神像が展開しています。
 また、山裾には宝キョ印塔、一石五輪塔などからなる
『筑前国続風土記』に「探題千葉氏の墓」とされる
中世後期の墳墓がありました。
また、その一角には九州探題渋川萬寿丸のものとして
地元の人に祀られて来た自然石板碑もあります。



 郷土史会の方々はメンバー個々が積極的で
山中に分け入って一つ一つこれらを見つけて
地図にプロットする作業を続けて来られたそうです。
佐賀県との境にある国境石も調査されています。
頼もしいご活動の一端を拝見しました。

絵巻の宝塔

2008-04-10 | Weblog

法華経絵巻は13世紀頃の成立とされ、
その中にある如来神力品の下りには
複数の宝塔が描かれています。

多くは伏せた鉢のような堂で
「宝塔」が表現されていますが、
獅子や虎が跋扈する広野に置かれた宝塔は
初層(1階部分)が三間堂で描かれています。
まさに宝満34次で見つかった礎石配置を
彷彿とさせる描かれようです。

宝塔が建てられた理由2

2008-04-07 | Weblog
「爾時仏復告薬王菩薩摩可薩・・・
薬王当知如来滅後 在在処処、若説若読誦若書、
若経巻所住処、皆応起七宝塔極令高広厳飾。」
『妙法蓮華経』法師品第十

その時釈尊は薬王菩薩に告げて
「如来の滅後において、在々所々において、
「法華経」を説き、読み、誦し、書き、
そして「法華経」のあるところには、
みな七宝の塔を建設してそれを高く大きく
厳に飾らしめよ」

このように最澄が最高原理とした
『法華経(妙法蓮華経)』の経巻中の
造塔に関する箇所をひも解く時、
最澄が企画した「六所宝塔」は
法華経世界を古代日本において
現実のものにするという
彼自身の強い使命感に基づいて
企画されたものであったことが知られます。

また、後継者たちがこれを実践したのも、
ただ師の意思を継ぐということに留まらず、
自らが法華経世界に生きる修行者として
釈迦の言葉を現実のものするという
宗教者としての敬虔な実践的行為に
位置づけられるものであった、
といえるようです。

宝塔が建てられた理由

2008-04-05 | Weblog

法華経 如来神力本第二十一

所在国土。若有受持。読誦。解説。書写。如説修行。
若経巻所住之処。若於園中。若於林中。若於樹下。
若於僧坊。若白衣舎。若在殿堂。若山野廣野。
是中皆応。起塔供養。所以者何。当知是処。即是道場。
諸仏於此。得阿耨多羅三藐三菩提。諸仏於此。転於法輪。
諸仏於是。而般涅槃。

いたるところの国土のどこにあっても、その教え(法華経)を受持し
読誦し解説し書写して、説かれたままに修行しなさい。
園であれ林であれ樹の根元であれ、
僧院であれ世俗の屋敷であれ王宮であれ、
山や谷や野であれ、そこに塔を建てて経巻を収め供養しなさい。
なぜなら、その塔が起てられたところがすなわち道場なのです。
諸仏はその道場において阿耨多羅三藐三菩提という無上の悟りを得、
諸仏はその道場において法輪を転じたのです。
諸仏はその道場において般涅槃(入滅)に至ったのです

竈門の春

2008-04-03 | Weblog


太宰府でも平地では満開の桜が人々を集めています。
政庁跡周辺も車のにわか渋滞がはじまっています。
竈門神社の駐車場も平日ながら有料営業で、
いよいよ春本番になったようです。
境内の桜は7~8部咲き、といったところでしょうか?