宝満山研究会(山岳宗教遺跡の保全と研究)

大宰府の北東に聳える宝満山の歴史的価値を掘り起こし、山の保全を考える会です。

冬至の脊振山への日没

2011-12-22 | 行事

(大字内山字大門よりの脊振山)

今日12月22日は冬至でした。
密かに楽しみにしていた日です。

宝満山の西には脊振山があり、宝満に大山寺や有智山寺があった頃、
脊振山頂には東門寺があったとされ、山頂には経塚が営まれました。

今日は日没時に宝満から脊振を見ると
まさに山頂付近に日が落ちるのだそうです。


太宰府では今日は低気圧の影響で朝から曇天。
午後は日が差したり曇ったりの繰り返しでやきもき。
しかし、日没間際の一瞬のこと、雲が割れて
山向こうが金色に輝き出しました。


まん丸のいわゆる「日想観」とまではいきませんでしたが
念願かなって当時の脊振山への日没を拝むことが出来ました。
下宮礎石建物は南北に長い講堂のような九州屈指の礎石建物ですが
建物の礼堂はこの脊振を臨む西側に取り付けられており、
冬至の日の夕方にこの礼堂の戸が開かれれば、
須弥壇上に置かれた仏像にこの輝きが差したことでしょう。


合掌

中世山の寺研究の最前線

2011-12-18 | 史料

「中世山の寺研究の最前線」と題して大阪歴史博物館で
科研「山の寺」プロジェクトの総括発表がおこなわれました。
冒頭、会の主催者である大阪市立大学文学部の仁木 宏氏は
3年の共同研究の成果で各地の山の寺の様相が画一的でなく
非常に多様なあり方がその特徴であったことが認識され
あえて今集会では総括討論を入れなかったとコメントした。

主催

「日本中世における「山の寺」(山岳宗教都市)の基礎的研究」研究会

共催
大阪歴史博物館


日時

平成23年12月17日(土)・18日(日)

会場
大阪歴史博物館 4階 講堂


内容(17日)

11:00~11:30

(特集展示「摂河泉の古瓦」展示解説)


12:30~12:40

あいさつ


12:40~13:20
考古学からみた「山の寺」
小野正敏氏(人間文化研究機構)


13:20~14:00
講演山寺の平面構造(縄張り)について
藤岡英礼氏((財)栗東市体育協会)

14:00~14:30
講演東北の山の寺
山口博之氏(山形県立博物館)

14:40~15:10
講演関東地方の「山の寺」について -主に武蔵の事例を中心に-
浅野晴樹氏(埼玉県立歴史と民俗の博物館)

15:10~15:40
講演甲信越の山の寺 -研究の現状と課題-
櫛原功一氏(帝京大学山梨文化財研究所)

15:40~16:10
講演三河・遠江境の山寺について -古代から中世山寺の展開-

後藤建一氏(湖西市教育委員会)


16:10~16:40

講演「山の寺」と城郭
中西裕樹氏(高槻市立しろあと歴史館)
内容(18日)

9:40~10:20
講演建築から見た山寺
山岸常人氏(京都大学)

10:20~11:00
講演中世山林寺院の成立と展開
上川通夫氏(愛知県立大学)

11:00~11:30
講演山の寺と文化財の保存・活用
坂井秀弥氏(奈良大学)

11:30~12:00
講演北陸の山の寺 -白山信仰関連寺院を中心にして-
宝珍伸一郎氏(勝山市教育委員会)

12:00~12:50 休憩

12:50~13:20
講演和泉地域の「山の寺」
大澤研一(大阪歴史博物館)

13:20~13:50
講演絵図からみる紀伊の山の寺
高木徳郎氏(早稲田大学)

13:50~14:20
講演四国の山の寺 -阿波国高越寺を中心に-
長谷川賢二氏(徳島県立博物館)

14:20~14:50
講演博多の中国商人と北部九州の山岳寺院
桃崎祐輔氏(福岡大学)

14:50~15:00 休憩

15:00~15:40
講演中世延暦寺末寺の「山の寺」
下坂守氏(奈良大学)

15:40~16:20
講演新しい「山の寺」研究の方法と成果
仁木宏氏(大阪市立大学)

16:20~16:40
コメント
山村亜希氏(愛知県立大学)

※上記の各タイトルは、当日変更される可能性があります。

宝満山も冠雪

2011-12-17 | 百景

昨日、今年も年末になって宝満山が冠雪しました。
昨年より1日早い降雪だったようです。
昨年は元日の御来光で登拝した方の話しでは
山頂から三郡縦走路に出ると膝まで雪があったとか。
山中も3月まで雪があり難所ヶ瀧も見事な氷柱ができました。
今シーズンはどうでしょうか?