宝満山研究会(山岳宗教遺跡の保全と研究)

大宰府の北東に聳える宝満山の歴史的価値を掘り起こし、山の保全を考える会です。

奉納琵琶歌 竃門山

2008-08-27 | Weblog
2008年8月23日太宰府天満宮余香殿にて行われた
中村旭園先生による「奉納琵琶歌 竈門山」のご解説と演奏について
報告いたします。

事務局による先生のご経歴や今回のご演奏に至った経緯についての説明の後、
中村旭園先生により「奉納琵琶歌 竈門山」が生み出されたいきさつのお話が
ありました。

この歌が出来たのは昭和57年、今から25年ほど前のこと。
宝満二十五坊の末裔である本行院(中村先生とは親戚の間柄)さんから
「1400年ぶりに心蓮上人が行われていた採燈護摩供を行いたいのだけど、
このことを宣伝してくれないだろうか」
と相談されたことがきっかけになりました。私はもともと神様が大好きなので、
竈門の神様にご挨拶する歌を作りたいと考えました。

そこで、友人である俳人・小原青々子先生に歌詞をお願いいたしました。
ところが、小原先生はその時風邪をひいて寝込んでおられたので、
「それでは宝満山に対するお歌を3つください。それを元に歌詞を作って
私が曲をつけましょう。」と提案いたしました。
その言葉を聴いた小原先生は病床から飛び起きて、床の間に掛かっていた掛け軸
を眺められました。
そこには仙さんの宝満山の掛け軸が・・・。
(直感を得られた)先生は一晩で歌詞の骨子を書き上げられました。

このようないきさつで出来上がったこの琵琶歌は、その後25年間
採燈護摩供催行の奉告祭の折に、竈門神社本殿で奉納してきました。
一度だけ、今から15~20年前ですが、
宝満山に登って、上宮でこの琵琶歌を奉納させていただきました。
山伏さん二人に連れて行っていただいたのですが、
宝満山に登るのはこれが最後になるだろうと思い、様々な場所を見ながら
2時間遅れで竈門神社に下りていきました。
その時、この採燈護摩供を残していかなくてはならないと思い立ち、
「記念碑を作りましょう」と提案しました。
「伝統というものは形にして残しておかないと廃れていってしまう。
人というものは簡単にやめてしまおうと思ってしまうから」

その碑は現在、竈門神社下宮礎石群の鳥居側に「宝満山修験道復興の碑」として
建立されています。

この碑の建立式の日に、「竈門山」を奉納したときには不思議なことが
起きました。
歌詞のなかにある「~竃の山は神鳴りの~」の下りを歌ったとき、
にわかに雲が沸き起こり、雷鳴が轟き、豪雨となったのです。
この出来事に感銘を受けたこともあり、この曲は竃門神社に奉納するためだけの
曲として、神前で演奏を重ねて参りました。

このたびは皆様の前で演奏することとなり、神前と同じく意を正して演奏させて
いただきましょう。

琵琶を手に調子を合わせられる中村先生。
手にされている琵琶には漆黒の龍が描かれる。
演奏を始められた時、まさに琵琶の音を寿ぐかのように
天満宮の神苑にだけ、雨音が響いた・・・

つづく


宝満山研究会代7回例会

2008-08-24 | Weblog

去る2008年8月23日土曜日に
宝満山研究会の第17回例会が
多くのご参加者を得て開催されました。

午前中は11時から太宰府天満宮余香殿
(天満宮社務所2階)をお借りして
筑紫琵琶奏者としての第一人者である
中村旭園さんに琵琶曲「竈門山(かまどやま)」
についてご解説いただいた上で演奏を、
午後の部では会友のご撮影による
「内山本谷礎石群」の下見見学会から伐採、
発掘調査、現地説明会に至るビデオ撮影映像を
会友の方のご好意で鑑賞する会が模様されました。

(詳細は後日)


つづく・・・

今日の宝満山(本谷礎石群)

2008-08-21 | Weblog


夜間の最低気温が25度を下回り
虫の音が涼しい気候に変わりました。
宝満は長雨のあとの晴天で
今日も朝から大勢の登山者が
さわやかな夏の終わりの宝満を
満喫されながら行き来されていました。

写真は今年の春まで発掘調査されていた
宝満山34次調査の本谷礎石群の今日の風景。
自然の復元力に驚かされます。
伐り払って開々としていた現場が
緑葉に覆われて森に帰ろうとしていました。
今日は某地元TV局の取材がおこなわれていました。
月内にはニュース枠で放送の予定だとか・・・

週末は宝満山研究会の例会

2008-08-21 | Weblog
今週末は宝満山研究会の例会です。
今回は特別に午前・午後の2部でおこないます。

日時;平成20年8月23日土曜日
 第一部
 午前10時30分 開場
 午前11時   開演
 午前12時   終演

場所;太宰府天満宮 余香殿2階(神社社務所建物)

宝満山の護摩供で毎年奉納されている
琵琶歌「竈門山」を筑前琵琶奏者の第一人者
中村旭園さん(筑前琵琶福岡旭会総師範)に
演奏いただいてお話しを伺う企画を準備しております。

 第二部 午後1時~4時頃まで
場所;太宰府天満宮 文華殿2階天拝の間
  (西鉄太宰府駅下車。周辺駐車は500円前後。会場は本殿裏の建物)
内容;
「研究会活動事跡の画像報告」事務局
「本谷礎石群の保全と今後の活動について」事務局

※両会とも若干の資料代をお願いします。

驟雨と雷雲と宝満山

2008-08-12 | Weblog

(写真は筑紫野市山口から見た宝満山)

8月8日金曜日から毎日午後3時をまわると
脊振山塊の向こう側から黒雲が立ち上り
大粒のスコールとともに稲妻が走る光景が。

宝満山の上空付近でも新たな雲が湧き上がって
筑豊の方面に向かう様子も見られます。
雨雲レーダーを見ても背振・宝満ラインと
英彦山付近は赤い雨雲溜まりとなる事が多く
まさに龍の棲む山、といった面持ちに見えています。
まさに霊山は「水配りの山」だったのです。

宝満山キャンプセンター工事の竣工

2008-08-07 | Weblog


本日宝満山キャンプセンターで行われていた
一連の改修工事が終了し竣工祭がおこなわれたそうです。
ですから、うわさのあの「バイオトイレ」も
いよいよ今日から本格稼動しているのだそうです。

キャンプセンター広場にあった資材も
大方は片付けられており、
工事期間中にセンターの山小屋に宿泊されていた
作業員さんたちも下山された模様です。
夏季のきつい作業ご苦労様でした。

宝満山キャンプセンターさんのHPにも記事があります。
http://www1.bbiq.jp/houman_k/7page/7page.html

バイオトイレの諸注意はこちら
http://www1.bbiq.jp/houman_k/4page/4page.html

夕方に次回例会で上映予定の本会の活動記録について
ビデオ映像化したパイロット版を
取材されてこられた会友さんにより
試写していただきました。
タイトルは「本谷礎石群調査の記録」。
一昨年の本会での現地見学会、下草刈の協同作業、
遺跡の発掘調査、現地説明会、文化庁の視察など。
構成もすばらしくなかなかの作品でした。
40分の作品にまだまだ手を入れられるとか。
ぜひお楽しみに!

(写真は7月後半撮影の改修工事中の宝満山キャンプセンター)

KBC水と緑のキャンペーンの宝満山

2008-08-05 | Weblog

先日の8月2日土曜日におこなわれた、
地元放送局九州朝日放送KBCの
「KBC 水と緑のキャンペーン2008」という番組で
タレントの藤井ふみやさんと斉藤ふみさんが
宝満山に筑紫野市の本道寺側から登山するという
取材番組があったそうです。

番組URL;
http://www.kbc.co.jp/event/watergreen2008/program/

うわさではなかなかのできだったとか・・・
見ておりませんので・・・再放送の予定もなさそう。

見られた方のご感想をお待ちしております。

(写真は本道寺側から見た東院谷と山頂)

宝満山キャンプセンタートイレの改修工事

2008-08-02 | Weblog


上の写真は7月27日の下の写真は6月の画像です。
途中の記事でもご報告いたしましたが、
西鉄100周年事業の一環として
宝満山キャンプセンター(筑紫野市大字本道寺)にあった
汲み取り式トイレが杉のオガクズを使った
バイオトイレに改装する工事が進捗中です。

写真の変化にお気づきのように、
外観はほとんど同じです。
違うのは基礎が約1メートル嵩上げされ
丈の高い建物になっていることです。
この上げられた基礎の中に
バイオのプラントが収められる予定です。

キャンプセンターのログハウスである
主屋の屋根にソーラーパネルが新たに設置され
そこから供給される電気で
このプラントを稼動させる予定です。

月末には完成になるのではないでしょうか?

宝満山キャンプセンターの改修工事

2008-08-01 | Weblog

宝満山筑紫野市側のキャンプセンターでも
西鉄土木さんによる工事が進捗しています。
写真は7月27日日曜日のものです。
正面奥の建物はキャンプセンターの主屋。
手前には以前レポートした仮設のトイレ群が。

主屋は屋根が改修され深紅の色を取り戻しています。
そして南側の屋根のほとんどを覆うようにして、
ソーラー発電パネルが新たに設置されました。
そうです。ここから得られる電力で
本格稼動させるバイオトイレの拡販装置など
機器を運転させようというプランなのです。