宝満山研究会(山岳宗教遺跡の保全と研究)

大宰府の北東に聳える宝満山の歴史的価値を掘り起こし、山の保全を考える会です。

コシアブラと天満宮の木うそと宝満山

2009-04-28 | Weblog

太宰府天満宮の1月のご神事
「うそ替え」は江戸時代から続く
天満宮での伝統行事ですが、
その小道具としての「木鷽」は
現在、天満宮の神職と市内の
「木うそ保存会」の方々が製作されています。
材料は公的な資料にもほとんどが「ホウノ木」
と表記されているのが現状です。
上の新聞記事にもはっきりとそう書かれています。

実はずっと以前から使われて来た素材は
「コシアブラ」だったようです。
大宰府近郊では「コシアブラ」を「ホウノ木」
と呼び馴らしていることが保存会の方々
との会話ではじめてわかりました。
近年素材をコシアブラに切り替えたのではなかったのです。
この近辺の山ならどこにでもあったコシアブラが
いよいよ手に入りにくくなったことから
大分県の耶馬渓や長者原あたりから調達しているのが
哀しい現状なのだそうです。

太宰府市ではこのような中で高雄の美化センター
の敷地を提供してコシアブラを育てているそうです。
ここに植えられたコシアブラの苗は
宝満山の北谷の山中(辛野周辺)から移植されたものなのだそうです。
ただし、着床の歩留まりが低くい上に
環境が開放的過ぎて育成が遅いようです。
杉・ヒノキ林の下でしかもある程度日の差すような
環境がないとダメなのかも知れません。
かえすがえすも森の恵みのありがたさです。



コシアブラについて

2009-04-26 | Weblog

コシアブラは落葉の高木で日当たりのある森に見られる。
タラやウドと同じウコギ科ウコギ属。
ある程度の群落を形成するようだ。
北海道から九州まで広く分布する。
葉は5葉からなっており、黄色に紅葉る。
樹形はホウノ木のように一本の幹が上に向かって伸びる。
枝分かれは少なく、枝先にまとまって大型の葉を付けている。
材は緻密で粘りがあり、紙の代用品として
包装紙代わりの経木などに使われていた。
樹肌は滑らかである。奈良・平安時代に、
刀などの金属の錆止めに使われた。
奈良東大寺の正倉院の献物帳に見られる「金漆」
の記述がそれとされている。らしい・・・

近年ではホウノ木に替えて
太宰府天満宮で用いられる「木鷽」
の原材料としても使用されている。
参考;http://www.kokudokeikaku.go.jp/share/doc_pdf/1006.pdf

宝満山研20回例会は山遊び

2009-04-25 | Weblog
本日、お天気が危ぶまれましたが、
無事第20回例会が実施されました。
10時に竈門神社に集合したのは20名。
事前説明をして遺跡解説をききながら
竈門神社に参拝しつつ登山道を辿って
本谷礎石群(推定六所宝塔跡)まで移動。

出発時には太宰府市教育委員会から
文化財総合把握調査ボランティア活動の説明あり。
また、今回はTNCテレビ西日本さんの取材も。


いよいよ現場にたどり着いて
木々の概説を受けて、いざ作業開始。
この周辺はヒサカキ、タブ、イヌビワ、
クヌギ、ヤブニッケイ、コシアブラなどの
広葉樹の低い雑木林になっています。
中に立ち枯れた松が数本見られます。
30年ほど前は松の2次林だったそうです。
本来里山は30年ほどの周期で伐採して
手がいれ続けられ管理されてていたそうです。
今回は特別に地権者のご承諾をいただき
雑木伐りや下草刈りやひこばえの枝うちなどをおこないました。








作業後は本体の明るい森がよみがえりました。
これで元のような不法投棄場や
登山者のトイレになるなら
ちょっと考えものですが・・・




いよいよお待ちかねの山野草の天ぷら。
やはりコシアブラは新芽の時期を過ぎていました・・・
今回は事務局で事前に採取・準備していたものを揚げてます。
ケーブルステーション福岡さんの取材もありました。



最後は全員でカラッと揚がったコシアブラや
ゼンマイに舌鼓を打ちつつ昼食会。
なかなか楽しい山遊びとなりました。
ご参加の皆様お疲れ様でした。

※ケーブルステーション福岡さんでの放映は
奇数時07分~ 「宝満山研究会 コシアブラを味わう 」として
即日19:00から翌日にかけて数回ありました。
TNCさんは後日放送との事でした。

次回例会のお天気予報

2009-04-22 | Weblog

桜が散ってしまったら
ほかの花々が咲き乱れ
一気に木々の新芽が
山の色を変えています。
もう宝満山は初夏の装い。

ところで・・・
次回の例会が予定されている今週末4/25は
今の天気予報では雨天のようです。
次回は屋外作業と山あそびなので、
雨天時には延期とせざるを得ないでしょう。
山野草の天ぷら楽しみにしてたのに・・・


宝満山の入峰

2009-04-19 | Weblog

今年も宝満山で修験道の作法による
峰入りの行事がおこなわれます。
本会では前回19回の例会で尾登さんより
ビデオ取材のノウハウをレクチャーいただきましたので、
この行事を取材してみよう、という声もあがっているようです。
いかがでしょうか?

行事の詳細は以下のとおり

日 時 平成21年5月10日(日)午前9時 ~
場 所 竈門神社集合
コース 竈門神社→一の鳥居(入峰作法)中宮→女道→
キャンプセンター(昼食)→元宝満心蓮上人祠→上宮(解散)
準備品 お弁当・お茶等は各自御持参下さい
服 装 軽登山の準備
下 山 午後2時頃 上宮(解散)
参照;竈門神社HP
http://www.dazaifutenmangu.or.jp/kamado/events.htm#nyuho

また、その翌よく週には「大護摩供」の予定もあります。

日時 平成21年5月31日(日)午前10時30分より
場所 竈門神社境内
神事、筑前琵琶奏者中村旭園さんによる
「竈門山」の演奏、外護摩の火生三昧の儀式、
一般信者による火渡りなど。

詳しくは昨年5月の本ブログの記事でご確認ください。

宝満山 竈門神社のシャクナゲ

2009-04-17 | Weblog



竈門神社ご本殿周りに植えられているシャクナゲも
ついに満開となっております。
花の様子は例年のゴールデンウィーク頃の感覚です。
散ってしまわないうちに・・・どうぞ!

(心配は来週末の本研究会の例会。
山野草の天ぷら会を予定してますが、
お目当てのものが時期を過ぎていないか・・・)

宝満山の六所宝塔へ天台宗が視察

2009-04-15 | Weblog

本日、天台宗の運営に係る役員の方15名が
昨年、調査された宝満山遺跡34次調査地点
(推定竈門山宝塔院跡=六所宝塔跡)を訪問され
先月、宗門として購入した現地の状況や
宝満山の周辺の環境など詳細に視察されました。

御一行は伝教大師の遺徳を偲び視察に先立って
般若心経を唱和されました。

まさに1000年の時を越えてこの場で読経する声が
ひびき渡った、ちょっと感動的なシーンでした。

※この様子は早くも今日夕方のTNCテレビ西日本の
18:30からのニュースで流されたようです。
ご覧になられた方のご感想をお寄せください。

第20回 宝満山研究会例会の詳細

2009-04-13 | Weblog


今回は屋外集会です。

日時;平成21年4月25日 10:00~15:00

集合場所; 10:00 竈門神社駐車場

内容;本谷礎石群(推定宝塔院跡)の下草刈りと
   植物観察会と山野草?の天ぷら体験。

会費; 200円

 昨年話題を集めた最澄さん発願の六所宝塔の一つ
安西塔に比定される本谷遺跡は調査から一年たって
また、下草が生えて礎石を覆うようになりつつあります。
また、周辺の雑木も中途で間引きを止めておりました。
地権者の方のご厚意で作業ができることとなりましたので、
久々に山仕事を体験しようと考えております。
 ノコやナタなど道具をお持ちの方はご持参ください。
周辺の植物相の観察会も冷川先生のご解説でおこないます。
また、コシアブラの新芽を現地で天ぷらにしてみようと
その準備もいたしますので、お弁当各自ご持参でお願いします。
服装は作業のできる格好でおいでください。


 この会は来た方会員でさせていただいておりますので、
どなたでもご参加いただけます。
 また、会の活動は会員各位、お一人お一人の
自主的なご参加で成り立っておりますので、会の方で
駐車場の手配や活動保険などは加入しておりません。
自己責任でのご参加のご理解をお願いいたします。

追伸・・・本谷遺跡群に関する報道が4月14日火曜日18:15頃
     TNCテレビ西日本さんで放映される予定です。
     なんでも比叡山本山まで取材なさってのレポートとか。
     ご覧になられた方は、ご感想をこのブログにお寄せください。



宝満山は百花繚乱前夜

2009-04-12 | Weblog
今、宝満山中では冬末期から初夏までの花々が
あちらこちらでひっそりと咲いています。




中宮より上の女道や北側斜面などでは
ヤブツバキがまだしっかり咲いて
木の下には花の絨毯が敷かれています。
行きおおせてませんがおそらく
宇美側からの難所ヶ瀧付近も同じような状況でしょう。





一の鳥居付近では散り際の
ヤマザクラが楽しめます。


かと思えば・・・
鳥居をくぐるとそこには大きな筑紫シャクナゲが
今日あたりはしっかり開花しているでしょう。

しかし、山頂下の東院谷の女道では
同じ筑紫シャクナゲの花芽は堅い様子です。
でも、花芽は多いようですので今年は
連休中頃には楽しめそうな予感です。


正面の登拝道では初夏の花ミツバツツジが
まさに開花しようとしています。


まさに百花繚乱前夜の宝満山中です・・・