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かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

追加版 渡辺松男の一首鑑賞 2の122

2019-02-06 19:11:54 | 短歌の鑑賞
   ◆(後日意見)部分を追加しました。


 ブログ版渡辺松男研究2の16(2018年11月実施)
    【樹上会議】『泡宇宙の蛙』(1999年)P80~
     参加者:泉真帆、岡東和子、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:泉真帆   司会と記録:鹿取未放


122 鳥われがポケットベルをつけて飛べばほかの鳥からめずらしがらる

           (レポート)
 「めずらしがらる」という第五句に童心が滲み出してたのしい。便利ではあるが作者にとっては我身を拘束するものでしかないポケットベルだった。しかし鳥になったら、僕こんなのもってんだぞ、とポケットベルを見せると、他の鳥達から、すごーーい、見せてみせて見せて、と珍しがられる、そんな愉快な場面を想像した。もちろんもっと大人的な鑑賞としては、無くても生きて行ける物を身に付け文明化をすすめてきた人間のある愚かさの指摘との鑑賞もあるかもしれないが、わたしはたのしい一首と鑑賞しておきたい。今せっかく松男ワールドにいるのだから。(真帆)


      (当日意見)
★何か韻律がもたもたした歌ですね。ポケットベルは拘束されて嫌なものなんだけど、自慢の気分
 ではないような気がするんですけれど。でも、それは当時の最先端のアイテムで、それを持たせ
 てもらえない人たちからすると羨望される立場なのでしょうか。それを和らげてめずらしがらる
 と言っている?(鹿取)
★時代が出ていますね。時事をやっているわけじゃなくても、短歌ってそういうところがあります
 ね。(A・K)
★昭和ですよね。前の方の歌にもワープロとあるけどこれは今のパソコンじゃなくてワープロ専用
 機。80年代ですね。(岡東)


      (後日意見)
 既に鑑賞した『寒気氾濫』(1997年刊)にポケットベルの歌があったので下記に挙げる。「ポケットベル」という表題のついた2首。(鹿取)
常に他人と一緒のようで休まらぬポケットベルがわが腰にある
ポケットベルに拘束さるるわれの目に鬱々として巨大春月



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