かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 383

2021-12-25 19:46:47 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究46(2017年2月実施)『寒気氾濫』(1997年)
    【冬桜】P154
     参加者:泉真帆、M・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:①曽我 亮子(②渡部 慧子)
     司会と記録:鹿取 未放


383 等間隔に植えられているしずけさよ街路樹枝を差し交わすなし

      (レポート①)
 道路に植えられている樹はきちんと同じ間隔で植えられているので何と静かなんだろう。これ以上枝を差し交わして静けさを得ることはありませんね。(曽我)


      (当日発言)
★等間隔に植えられていて静かなんだろうか?(慧子)
★枝を差し交わすなしだから、少し離れて植えられているんですね。だから交流がない。もう少し
 間が狭ければ枝を差し交わして交流が生まれざわざわする、仲良くしたりケンカしたりいろいろ
 ある。でもそうでないから静か。そんなふうに書いてある通りに読みました。(鹿取)
★ほんのちょっと怖い感じがします。関係のなさみたいなものが。(慧子)
★没交渉というか、自分は自分という、それぞれが同じだけのテリトリーを持たされていて
 何にもかかわりのない静けさ。(真帆)
★しずけさよというのは肯定と取りました。等間隔に並んでいる木達がそれぞれすがすがと一本と
 して立っている。(鹿取)

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