かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 1の34

2020-06-07 18:06:59 | 短歌の鑑賞
    改訂版渡辺松男研究4【地下に還せり】(13年4月実施)
      『寒気氾濫』(1997年)12~
      参加者:崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、鹿取未放
       司会と記録:鹿取 未放(再構成版)

              
34 わが死後も膨らみてゆく樹の瘤を冬の日射しが暖めている

 ★評者が樹の瘤をマイナスと捉えたのが面白い。樹の瘤って樹にとってはどうな
  んだろうね。必ずしもプラスのものではない。まあ、樹の個性のような気がす
  る。ニーチェもそうだけど人間も瘤のようなものを抱えていて、それは傷だ。
  その傷を日差しが暖めているのはすごい。(鈴木)
 ★私はあんまりマイナスイメージとは思わないんだけど。まあ瘤取りじいさんと
  かあるから瘤はプラスのものではないだろうけど、樹にとってはどうなのかな
  あ。樹の瘤は松男さんにとってマイナスでもプラスでもない樹の属性のような
  ものだと思うけど。(鹿取) 
 ★でもマイナスから上に行くと開きが大きい。その力強さは傷から成長していく
  ところが命の力強さを感じる。鹿取さんのように普通の読み方もできるが、マ
  イナスと読んだ方が渡辺さんの歌にとっては良いのではないか。(鈴木)


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