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かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 24 アフリカ②

2025-06-04 16:37:20 | 短歌の鑑賞

  馬場あき子の外国詠3(2007年12月実施)
    【阿弗利加 1サハラ】『青い夜のことば』(1999年刊)P159~
      参加者:N・I、Y・S、崎尾廣子、T・S、高村典子、藤本満須子、
         T・H、渡部慧子、鹿取未放
    レポーター:藤本満須子          司会とまとめ:鹿取未放

 
24 駱駝の腹太くて足の長き影宿命のごと沙漠に似合ふ

            (まとめ)
 沙漠の駱駝が長い影を曳いている姿が絵画にもよく描かれているが、お腹の形状はあまり記憶に無かったが、間近で見て腹の太いのに驚いたのかもしれない。映像で見ると確かにどっしりとしたお腹の下に長い足がついて、たいていは沙漠に長い影を落としている。前の23番歌(汚れたる駱駝の粗毛なでたるがその背ゆり上げ伏すにあらずや)と合わせてしみじみとした詠嘆がある。沙漠に適するように進化してきた故に、沙漠で苦しい労働を強いられている駱駝、それを「宿命のごと」と言っているのであろう。(鹿取)

          
            (レポート)
 次は砂の上に影をひいている駱駝の足等、駱駝そのものをよく観察し、対象をよく見て「宿命のごと沙漠に似合ふ」とうたっている。駱駝は北アフリカからアラビアにいる一瘤駱駝と中央アジアからモンゴルにいる二瘤駱駝の2種。人間に飼養され、沙漠の重要な家畜である駱駝、沙漠と駱駝、そして人間の営み、そこを「宿命のごと」とうたったところにこのうたの眼目があるのではないか。何かこう哀愁のような情を起こさせる歌である。(藤本)

 


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