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かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞 48

2025-06-12 16:06:06 | 短歌の鑑賞

   2025年度版 渡辺松男研究2の7(2017年12月実施)
     『泡宇宙の蛙』(1999年)【山鳥薇】P36~
       参加者:泉真帆、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
         レポーター:渡部慧子      司会と記録:鹿取未放  

               
48 至仏山に初雪はとけあたたかし蝦蟇がすこしだけ目をあけて閉ず

       (当日発言)
★「蝦蟇」にはふりがながないのですが、「ひき」と読むのでしょう。「ひきがえる」だと4句めが11音 になって長すぎるし、「ゆき」「ひき」と語の終わりに韻を踏んでいるのでしょう。(鹿取)
★冬眠中のぼんやりした体感で、あたたかいからおやもう春かなと思って目をあけたんだけどどうもそうではないらしいとまた閉じたということでしょうね。「閉ず」のところが効いていて、とぼけた感じが出ていて面白いですね。好きな歌です。至仏山は2228メートル、尾瀬国立公園の中にあると辞書には出ています。「至仏山」の固有名詞は歌に活きていますが、(仏に至るというような)暗示性の意図は作者にはないのではと思います。(鹿取)

 

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