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かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の鑑賞 36、37 

2025-05-15 09:53:48 | 短歌の鑑賞

2025年度版 渡辺松男研究2の5
    (2017年10月実施)『泡宇宙の蛙』(1999年)
    【白根葵】P28~
    参加者:曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
         レポーター:渡部慧子     司会と記録:鹿取未放   

 

36 森深くあゆみ来たれば恋人のうしろにサンゴハリタケがいる


      (当日意見)
★ふっとみたら恋人のうしろにサンゴハリタケが花のように美しい姿で現れた。恋人の美しさと二重写しになっているのでしょう。キノコですから動かないんだけど、「いる」と捉えたのが面白いですね。馬場あき子もたくさん植物を「いる」て表現していますが。(鹿取)

 

    (後日意見)  
 サンゴハリタケ(珊瑚針茸)は名前のように珊瑚のような形状で白くて美しい。「ブナ科の広葉樹の枯れ木や倒木の上などに発生する。食用になる」とネットには書かれているが、山毛欅の倒木だけでなく立木に生えている例も多いそうだ。この歌では山毛欅の立木に直接生えているサンゴハリタケを恋人のうしろに発見して、あっと思った設定なのだろう。(鹿取)


37 恋人は押し黙るときひんやりとスイショウランのようにも見ゆる


          (当日意見)
★スイショウランは斑になった薄のような長い葉に、鈴蘭のような美しい花を付けるようです。36番歌のサンゴハリタケも美しかったけれど、こちらも可愛らしいですね。この花のように押し黙られたら憎めないですね。(鹿取)

 


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