かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 227 中国⑨

2023-04-22 09:48:23 | 短歌の鑑賞
 2023年版 馬場あき子の旅の歌30(2010年9月実施)
   【李将軍の杏】『飛天の道』(2000年刊)180頁
   参加者:N・I、曽我亮子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
   レポーター:曽我 亮子 司会とまとめ:鹿取 未放


227 なきむしの駱駝ぐわんこの驢馬そして辛抱のよい馬ら働く

      (レポート)
 西域(中国の西方地域を中国人が呼ぶ場合の汎称)では古来、沙漠の舟と呼ばれる乗用としての駱駝、運搬・農作業用に驢馬や馬(古くは軍馬としても)、これらは必要不可欠な家畜として飼養されてきた。作者は「なきむし」、「ぐわんこ」、「辛抱のよい」等擬人化して詠うことによって、この厳しい風土に生きて過酷な労働に従事する動物たちをやさしく思いやっていおられる。(曽我)


     (当日意見)
★性質と動物名がうまく繋がっているかどうかはしらないけど、分
 からなくはない。それぞれの動物の説明をガイドさんなどから聞
 いたのかしら。それとも直感的な把握?「ぐわんこ」って旧かな
 表記が面白い味になっていますよね。まあ、駱駝と驢馬と馬の見
 分けはつくけど、驢馬と騾馬は私など分からないです。土屋文明
 の『韮菁集』(1946年)には次のような面白い歌がありま
 す。(鹿取)

  馬(うま)と驢(ろ)と騾(ら)との別(わかち)を聞き知りて驢来(ろきた)り
  騾来(らきた)り馬来(うまきた)り騾(ら)と驢(ろ)と来(きた)る
コメント
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