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Mr.Dashのぶろぐ館

奈良・大阪・日本アルプスの山々が大好きな、Mr.Dashのブログです。

2010年4月29日(木)~5月3日(月)マレーシア・キナバル山へ(4)感動のヴィア・フェラータ

2010年05月05日 | 山登りの記録
ふみちゃんに、I村氏とO坂さんを託し、我々は先にロウズ・ピークを辞する。
ガイドのClauduisが、足腰のバネを活かし、異様なスピードで下っていく。
たやすいルートは数珠つなぎの登山者、下山者の列。
それを避けると、どうしても若干難しいルートを下らざるを得ない。
少し横にそれ、飛ぶように後を追う。
モタモタする巨漢の白人達をヒラリと追い抜くのは気分がいい。

結局、余裕の7:00に、3776m地点「ロウズ・ピーク・サーキット」起点に到着。
既に、マウンテン・トルク社の3人のスタッフが待ってくれていた。


(写真はその3人に、Clauduis[左端]を加えた4人)

ヘルメット、ハーネスを装着し、ザイルで互いをつなぐ。
昨日の打ち合わせで、先頭をMr.Dashが歩き、しんがりをガイドのJが
務めることが決まっている。
Clauduisと、スタッフ2名は、ノーマルルートに戻り、O坂さん達をサポートする。

ザイルの末端を手渡され、ごく自然にエイトノットで結束。
2番手のHがしさんも、3番手のY井氏も、通訳のため4番手についた
ともちゃんも、皆、当然ながら、エイトノットを自然に結んでいる。

これに驚いたのはJ。「昨夜、皆で練習したのか?」
恐らく、いつもはお客全員のザイルを結んでやらねばならないのだろう。
ともちゃんがすかさず「私達はロッククライミングの経験者ヨ!」
Jは、ほっと安心した様子である。

7:30、出発。最初のワイヤーに手をかける。



最初の3ピッチほどは緩やかな岩盤だが、すぐに傾斜は急になり、
本来、懸垂下降でもしないと不可能なフェースになる。



金属製の足場が随所に設けてあり、特に危険はないが、切り立った崖から
眺める光景はノーマルルートからは決して味わえない特殊なものだ。



岩は安定していて、落石もなく、ホールド、スタンスとも摩擦力も十分。
非常に扱いやすい。
万一、足を滑らせても、ダブルカラビナをワイヤーロープにスルーして
あるのと、5人コンテではあるものの、Jが上部でビレイしてくれる2重の
セキュリティ。オープン以来、まだ大事故は起きていないという。

30~40mほど下ると、左へのトラバースとなる。
ハング気味の岩の下に薄いリッジがあり、そこを通る。
時折、雫が上の岩から滴り落ちてくる。



L字のクラックのところで、再び長い下降に転じる。



途中の大テラスで休憩し、眺めを楽しむ。
大空を散歩しているかのようだ。



ここからがクライマックスだ。
順調に下降を続け、岩に正対して右手の方向へ岩角を回り込むと、
キャノピーウォーク(細長い吊り橋)に出くわす。
よく揺れるので、クライミング以上にスリリングである。
谷底は30mはあるだろうか。



さらに続くは、ワイヤー3本だけの橋。
ワイヤーをVの字に配し、足元は1本のワイヤーを綱渡りする。
リポビタンDのCMみたいで愉快、愉快。



樹林帯に降り立ち、一度ザイルを解く。
休憩しながら上を見上げれば、さっき通った吊り橋が遥か上を通っていた。



しばらくはジャングルの中をトラバース。なかなか厄介な茂みであった。
やがて斜めの一枚岩に出て、初級コースと合流する。

Jが「かなり速いペースなので、初級コースのパーティに追いつくと思う」という。
さらに、「そこには君達仲間3人のうち、2人がいるようだ。1人はどうやら
断念して一般道を下山しているらしい」とのこと。彼は無線機を持っている。
そうか、間にあったんだ。
クライミングの名手ふみちゃんは多分行ってるはず、
キャンセルしたのは宇宙人I村さんか、ゴッドマザーO坂さんか、どっちだろう。

初級コースの難所は、短いものの、ワイヤーが上下に2本のみの橋。
両手で上のワイヤーをつかみ、足は綱渡り状態。
身体が振れ、腕力だけに頼った横断になる。
これを終えて、90度の断崖をトラバース。スリルを味わえる最後の箇所だ。



かくして先行する初級者バーティに追いつく。
6~7名の混声パーティとなっている。
ふみちゃんと、O坂さんがいた。そうか、疲れていたI村さんが断念したのか。

夢のような時間はたちまち過ぎた。3時間20分で踏破。やった。楽しかった。
4~5時間が標準時間というから、なかなか速かった。さすが山岳部メンバー。

15分ほどの遅れで、われわれの後に続いていた(多分白人の)パーティは、
まだ吊り橋に着いていないほどで、豆粒が遥か上の岩に張り付いていた。
ずいぶん引き離したものだ。さすがに、膝が少し張っている。
過去最高記録は1時間45分とのことだったが、これは単独行だという。

Jは、日本人がロングコースに来たのは初めてだと言っていたが、
帰国後、WEBで確認したら先行者がいたので、多分、リップサービスか
彼自身が日本人を連れたのが初めてということだったのだろう。
ちなみにJは21歳で、大学に通う資金稼ぎのために、この仕事をしているそうだ。

一般登山道に合流し、ペンダントハットに戻るのであった。

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