Mr.Dashのぶろぐ館

奈良・大阪・日本アルプスの山々が大好きな、Mr.Dashのブログです。

2008年4月30日(水)南紀・高田川栂谷のナメを堪能し、烏帽子山へ(2)

2008年05月03日 | 沢登りの記録
ヤケベ岩を過ぎたナメ天国以降、連続ナメ帯が終わっても、しばらくは
小さな斜瀑の連続帯や小規模なナメで楽しさ満点だ。


やや長めの赤いナメを過ぎると、前方に大きな岩をゴロゴロと従えた滝と、
右手に大岩を太い根で抱いた老杉が待ち構える。



ガンガラ滝15mだ。
シャワーで直登もできるそうだが、Mr.Dashはガンガラした岩を
リードクライム。一部、ホールドが遠いところもあり緊張するが、それほど
難易度は高くない。8割がた登ったところに幸運にも立ち木があり、小躍りして
ビレイする。T橋クンとキッシーが続く。
ともちゃんとY井カメラマンは、さらに右手の樹林帯を高巻きしているが、
こちらはこちらで一箇所、ちょっとヒヤッとするところがあったそうだ。


ほどなく右手に、「行者道コース」と書かれ標識を発見。一般登山道が
あったころの名残か? 後にも先にも、標識はこれ一つだけ。時折、
テープが巻かれているものの、桟道は朽ち気味で、しかも不連続。
普通の登山靴なら悪説苦闘は見えている。


すぐに大釜。20mプールのように向こう側が四角い。とにかく水がキレイ。
向こうに10m以上あるナメが見える。右岸に苔むした桟道があり、
さきほどダイブしたMr.Dashは自重して巻く。
キッシーが果敢にプールを泳ぎきり、ナメに立ち向かう。
しかし残念無念。ツルツルのスラブは後半、わずかではあるが傾斜が増す。
足を取られたキッシーは、ほとんど「すべり台」状態で、エメラルド色の
釜にまっしぐら!

一方、T橋クンは泳がず、右岸から巧妙にナメに躍り出ていく。
辛うじて滑り落ちなかったものの、ナメの途中で立ち往生し、なんとか
左のスラブに取り付いて桟道に上がってきた。

そんなことで、さらに奥の三角形のプールと、さっきより角度のあるナメでは
さすがに誰も直登にチャレンジせず、すごすごと巻いた。

ナメ帯を抜け、黒滝7mを見る。これこそ直登はムリで、右の桟道から高巻く。


この先、水量が極端に減るものの、ふたたびナメの連続だ。すごい沢である。

黒い岩盤にわずかに水が滴る枝谷を見送り、いよいよツメの様相。
二股を左にとり、苔むした岩がゴロゴロした涸れ沢を詰める。


ひょこんと飛び出したコルには登山道が通っている。ちょうど稜線ルートと、
立石コースの分岐のあたりに出たのだ。

稜線ルートの急登を一気に登る。烏帽子岩が近くに見える。涙あふれて霞んでくる。
親切にもハシゴと鎖がつけてある。恐ろしく高度感があるが、せっかくなので
上までよじ登る。登攀用のリングを4つ見つけた。

空は雲ひとつなく、やや霞み気味ではあったが、周囲の眺めはすばらしい。
達成感がみなぎってきた。ちゃんとビレイしたら昼寝するのも気持ちよさそう。

烏帽子山の山頂は、ここから再び急登してわずかだ。

一転、あまり展望がよくない。辛うじて、高田の集落が見下ろせる程度。
それでも、昨夜泊まった宿が見えて感慨深い。

下山は東尾根にのびる登山道をたどり、俵石集落跡を経由するルート。
俵石の廃村は古びた石垣が数多く残り、往時をしのばせる。




手回し式の絞り機能のついた洗濯機や、簡易発電機の残骸も発見。
棚田であっただろう場所にも既に植林がなされていた。
林道に合すると、駐車地へはじきに着いた。

高田グリーンランド雲取温泉には連泊。ここの湯は本当に質がいい。
沢登りのあとは、また格別だ。初めての沢登りだったキッシーは、
都合でこれから奈良へ帰る。気をつけて。
残った4人は、今日は宴会もほどほどに、全員ビールを飲んだだけで
夢の中に突入した。

T橋クンは、どこまでも続くナメを、滑落に怯えながらひたすら登り
続ける無間地獄のような夢をみたそうな。

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