知らない世界へ帰りたい(日本探求)

自分の祖先はどんなことを考えていたのか・・・日本人の来し方、行く末を読み解く試み(本棚10)。

「はだしのゲンは終わらない」

2013年01月23日 14時16分51秒 | 戦争
 2012年12月28日に放送された、NHK・BSプレミアム「はだしのゲンは終わらない 幻の続編からのメッセージ」
 原作者の中澤啓治さんの晩年をカメラで追ったドキュメンタリーです。
 制作・放送されたのは約3年前で、幾度となく再放送されてきました。

~番組紹介~
 広島の原爆資料館に、14枚の漫画の原画が寄贈された。それは、世界に原爆を伝えた「はだしのゲン」の続編だった。この続編は作者の中沢啓治さんが「訴えなければならないテーマがある」と語ってきたものだった。しかし中沢さんは、描きかけにも関わらず、資料館に寄贈した。続編はなぜ発表されなかったのか。そして、そこに込められるはずだったメッセージとは。中沢啓治さんが訴えようとした「ゲンの真実」に迫る。


 世間で知られている第一部では「戦争・原爆の悲惨さ」を扱った内容でした。
 未完の第二部では「被爆者への差別」を扱う予定でしたが、病のため筆を折らざるを得なかった経緯が番組で描かれていました。
 残念です。

 中澤さんは毎年開催される広島での原爆記念式典に自ら参加したことは一度もないそうです。
 「安らかに眠ってくださいという気持ちにはまだなれない、ひどい目にあったのだから怒れ!世界中に知らせるんだ!と云う気持ちの方が強い」と生々しいコメントを残しました。

 潜行し広がる被爆者への差別を扱った作品には「夕凪の街 桜の国」があります。