Sweet Dadaism

無意味で美しいものこそが、日々を彩る糧となる。

暗闇クリスマス。

2004-12-20 | 徒然雑記
 クリスマスですね。皆さま。
ご準備のあるかたないかた、ご予定はそろそろお決まりのことでしょうか。
因みに私は25日の土曜日まで無粋にも終日授業でございます。どうでもいいか。
とはいえ、師走の初日から25日まで、休日返上授業地獄だったもので、満足に更新もできずに僅かばかりの読者の方々にはご迷惑をお掛けしたことを謝罪。

数年前からだろうか、「我が家飾り」が流行りはじめた。正式名称は判らないが、ご自身の一戸建ての外観をキラキラゴージャスに飾り立てるあれである。東京や神奈川あたりから火がついて、今年は千葉の一部で大盛り上がりを見せているらしい。
ほぅ、では我が家の近くも希望が持てるか知らん、と思って、人の運転で界隈を巡回して貰った。

・・・真っ暗である。ひたすらの闇である。
美しくライトアップされているのは、国土地理院の見慣れた大パラボラ。嗚呼、不思議と優雅なり。

繁華街もなし、新興住宅街は小規模でまばら、郊外は農家の立派な門構えと瓦屋根。
これでは、飾り立てる場所も見てくれる観客も、確かに限定されるに違いない。
東京に住んでいた頃は、毎年リースなり人形なり、何らかの飾りをマンションのドアの外に掛けていた。今年もそうしようかなと思ったが、街中に堂々と「スリ、引ったくり、車上荒らし、空き巣に注意!」とあっては、おちおちドアの外を飾っている場合ではない。飾る以前に、二重三重ロックにするとか、センサーを付けるとか警報機を持ち歩くとか、もっと他にすべきことがありそうな気がする。それに、朝になって折角の飾りがもし無くなっていたとしたらそれなりにショックであるに違いないし。危険極まりない。やめよう。

クリスマスまで残すところ10日というところで(イベント賞味期限をぎりぎり過ぎたあたりで)意を決して買出しに行った。部屋の中できらきら光ってくれるツリーとオーナメントである。
暫く、というより15年以上もツリーなるものを飾っていなかっただけのことはあって、子供の頃に見たようなものからは著しく進歩し、かつ安価になっていて驚いた。そして助かった。
友人に聞いたところ、今流行りだという白(クリア)のグラスファイバーが前面をそれなりに覆っているうえ、三色にチカチカと色変わりするダイオードまでご丁寧についている。昔のようにコードが別でないのでツリー自体を、そしてとりどりのオーナメントを邪魔せず、粋である。

起床してから家を出るまでの間、そして帰宅してから床につくまでの間、ひたすらきらきらさせている。
夜間にはどうしても、閉じた瞼の裏にきらきらがちらつき、まるで火事を彷彿とさせて気になって眠れない。うっかり眠ってしまったら大変な夢でも見そうなので、しぶしぶ消して寝ている。

ご近所が真っ暗になる頃、私の部屋の窓からはきらきらした明るい光が漏れている。
ほんとうは、真っ暗なご近所全体を彩ってしまいたいけれど、それもできないから、窓のカーテンをほんの少しだけ開けている。

見えるかな。