雨の日にはJAZZを聴きながら

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Dave Holland Quintet Live At Blue Note Tokyo

2007年10月28日 22時57分24秒 | ライブ
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ラズヴェル細木のジャズ漫画『 コンプリート・ジャズ・コミック・コレクション 』(1992年 双葉社 )の中にこんな件があります。

「東京でジャズ・ファンをやっていると、ホントーに頭がぼけてくる。~今回は逃しても、またじきに来るだろうという安易な気持ちが心の底にあるのだ。もっと東京という街のありがたさに気が付くべきだ。ジャズ・ファンに関しては、地方の方々のほうがずーっと熱心で良質だろうと、自分は見ていて思う。~」

まさにラズヴェル氏が言われる通りで、僕も20年間も東京で生活しているのに、ライヴに熱心に通うようになったのはこの2,3年の話です。それまでは年に4,5回ライブを観ればいいほうでしたからね。せっかく高い物価に我慢し、高い住民税を払いながら東京に住んでいるのだから、少しはその恩恵に与ろうと、最近は小まめにライヴ情報をチェックしいています。

さて、先週の火曜日、念願だったデイヴ・ホランド・クインテットのライブを Blue Note Tokyo に観に行ってきました。僕が観たのはセカンド・ステージ。

僕が意識してデイヴ・ホランドのリーダー作を聴き始めたのはつい最近のことで、99年の『 Prime Directive 』だったと記憶しています。しかも『 Prime Directive 』は完全なクリス・ポッター狙いの後追いで購入しており、リアルタイムでは聴いておりません。はじめのうちはあまりその良さが分かりませんでしたが、03年に発売された2枚組ライブ作品『 Extended Play Live at Birdland 』が素晴らしい出来で、スタジオ盤とライブ盤がこれほどまで違うバンドは珍しいと、感激したものでした。このメンバーで来日したら絶対観に行こうと決めていたので、今回の来日は個人的に待ちに待った待望の来日だったわけです。

演奏はデイヴの新曲 ≪ Ebb & Flo ≫ からスタート。お得意の変拍子のラテン・ナンバーで、いかにもデイヴらしい癖のある楽曲。いきなりネイト・スミスが激しくドライブし、その凄さを見せつけます。ビリー・キルソンの後釜としてこのクインテットに参加したネイト・スミスですが、前任者に負けず劣らずの手数の多さと、瞬間的な爆発力でホールを熱気の渦に巻き込みます。スタイル的にはビリー・キルソンと酷似していますね。2曲目の≪ How’s Never ≫ もデイヴの新曲です。これもまたロック調の変拍子。ホームレス風の貧相な風貌のスティーブ・ネルソンが奏でるヴィブラフォンとネイト・スミスのドラムの長尺なかけ合いから始まります。クリスのソロのバックで激しく煽るネイト・スミスがめちゃくちゃカッコいいです。3曲目はクリス・ポッター作の新曲 ≪ Souls Harbor ≫。これも5拍子。しかもドラマティックにリズムが変化していく難曲。クリスのブチ切れソロは、決してスタジオ盤では聴けません。クリポタって、一見するとNOVAの英語教師風のごく普通のアメリカ人ですが、一たび吹き出すと手がつけられないくらい豹変して吹きまくるのね。4曲目はまたしてもデイヴの新曲≪ Veil of Tears ≫。陰鬱なベース・ソロから始まる7拍子。そしてステージ最後の曲は『 Extended Play Live at Birdland 』にも収録されていた ≪ Prime Directive ≫。途中のロビン・ユーバンクスとクリス・ポッターの無伴奏の掛け合いなどは、『 Extended Play Live at Birdland 』と全くいっしょ。そう言えば、今回のライブは、全体的にも『 Extended Play Live at Birdland 』と似ている雰囲気があります。アンコールでやっと『 Critical Mass 』から≪ Easy Did It ≫を軽く短めに演奏し、1時間30分のブルーノートのライブとしてはかなり長めのステージが終了しました。いつものブルーノートって、だいたい1時間程度の演奏で、ちょっと物足りないライブが多かったから、このくらい演奏してくれると丁度いいかも。満足です。店を出る際、店員が「このあとサイン会がありますよ~」と、アナウンスしていましたが、時計を見たら既に11時を回っていたので、後ろ髪を引かれながらも店を後にしました。

<ライブのまとめ>
1. これで、ジョシュア、エリアレ、クリポタ、の3人全員を生で観たことになるが、やっぱりクリポタが一番凄かった。
2. ネイト・スミス。大好き!
3. デイヴ・ホランドは素晴らしいコンポーザーだ!しかし、ベースの技術は並。
4. (スティーブ・ネルソンをみるにつけ)人は外見で判断しちゃ、いけないな。