雨の日にはJAZZを聴きながら

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Martin Sjostedt 『 Mondeo 』

2006年02月28日 22時17分47秒 | JAZZ
昨日のフレドリク・クロンクヴィストに関連したCDを紹介させていただきます。クロンクヴィストのアルバムでもベースを弾いていたマーティン・シェーステッドの自己のバンドに,今度はクロンクヴィストが参加してます。マーティン・シェーステッド・バンドは2002年にヤナス・エストルム(p),ダニエル・フレドリクソン(ds),マグナス・リングレン(ts)らと結成され,現在までに『 Mondeo 』(2003 Sittel)と『 Slow Charles 』(2005 Sittel)の2枚のアルバムを制作しています。『 Mondeo 』には上記の4人のバンドにクロンクヴィストが3曲だけ,ゲスト出演しています。『 Slow Charles 』ではマグナス・リングレン(ts)が抜け,クロンクヴィストとカール・オランドソン(tp)の2管がフロントを務めています。余談になりますが,カール・オランドソンってペーター・ノーダールと競演したり,自己のアルバムではチェット・ベイカー風の演奏をしてましたが(顔もチェット・ベイカーに似ている),本当はバリバリのハード・バッパーなんですね。

僕はクロンクヴィストの『 maintain 』の荒々しい熱血バッパーに惚れて,もっと彼の演奏を聴きたいと思い,このマーティン・シェーステッド・バンドのアルバムを買ったのですが,ちょっと肩透かしでした。2枚ともハード・バップではあるのですが,大人しすぎなんですよね。楽曲自体は洗練されていてよく聴くとカッコイイのですが,クロンクヴィストのお叫びが皆無なんです。現代的ハード・バップとは得てしてそういうものであって,俺が俺がのアドリブ合戦を演じてた50年代のハード・バップとは決定的に違うのですね。微妙に伸縮する現代的4ビートに乗って,抑制を効かせたクールなソロを端的に演じる。そういったトータル・サウンド内の自己表現に重点を置いたアドリブがトレンドなんですね。

でも,疲れて帰宅し,寝る前のひとときの聴くには,これくらいのおしゃれで静かなハード・バップがちょうどいいかもよ。

最後に。彼のベーシストとしてのスタイルは,極めてオーソドックスです。彼の紹介記事を見ますと,目標としているベーシストはレイ・ブラウンだそうです。まさにレイ・ブラウンのような地味だけど,歌心のある綺麗なラインを刻むベーシストです。