雨の日にはJAZZを聴きながら

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Charlie Haden 『 American Dreams 』

2006年02月01日 21時34分27秒 | JAZZ

ここ二日間は,ブラッド・メルドーがサイドマンで参加したテナー奏者のアルバムとして,クリス・チークの『 Blues Cruise 』,マーク・ターナーの『 In this world 』を取り上げましたが,今日はその流れでチャーリー・ヘイデンの『 American Dreams 』を引っ張り出してきました。一応チャーリー・ヘイデンのリーダー・アルバムですが,メンバーはマイケル・ブレッカー,ブラッド・メルドー,ブライアン・ブレイドのカルテット編成で,曲ごとに優雅で上品なストリングス・アレンジをやらせたら右に出るものがいないアラン・ブロードベント様と,これまたつまらぬ楽曲もアレンジ力で名作に変身させてしまうヴィンス・メンドーサがアレンジを担当しています。ここまで役者をそろえれば出来が悪いはずもなく,まさにアメリカン・ドリームを想起させる名盤の出来上がりです。

以前から当ブログでチャーリー・ヘイデンの悪口を言ってきた僕ですが,まあ,相変わらず自分の緩んだパンツのゴムひもを転用して張っているんじゃないかと疑いたくなる弦で,ボーン,ボーンとキレの悪い音を出しています。何で左手親指をネックの後ろに置かないんだ。弦は指を垂直に立てて押さえると習わなかったのか。何故ネックを鷲掴みにするんだ。右手は何で人差し指一本しか使わない。何でそんなに体を揺らす。そもそもなんだその顔は
……。と,言いだしたらきりがないのでこのあたりで止めますが,どうしてヘイデンって,一流ミュージシャンに可愛がられるのでしょうかね~。メセニー,ブレッカー,キースなどから信頼を得ている根拠とは何なんでしょうか。確かにフレージングに“歌”がありますけどね。

話は戻しますが,このアルバムはぼぼ全曲がバラードという構成で,ブレッカーがまるで自分のリーダーアルバムかのように吹きまくっているのが売りです。恐らく,ブレッカーがアルバム一枚を通してバラードだけを演奏しているのは
2001年の彼のリーダーアルバム『 Nearness of you 』と本作だけだと思います。基本的に本作も『 Nearness of you 』の延長線上のアルバムと言ってよいと思います。今回,この記事を書くにあたりgoogleで『 American Dreams 』を検索したのですが,ほんと沢山ヒットしてきました。みんなこのアルバム好きなんですね。中には普段ジャズを聴かない人まで褒め称えています。「チャーリー・ヘイデンというジャズのベーシストのアルバムで,とっても癒されました。超おすすめ。」なんてね。

M-2Travels>(パット・メセニー作)のメルドーのソロ。絶品です。なんでこの人はこんなに美しく心悲しいフレーズが弾けるのでしょうか。心の中の奥底に眠っている思春期の悲しい記憶がふーと,蘇ってくるような切ない音。ブレッカーの哀愁のフラジオで泣き,さらに,メルドーの切ないソロでまた泣く。ブレイドのブラシュも哀切な音で歌ってます。いや~,ホント沁み入るアルバムです。「なんかとっても癒されました。超おすすめ。」なんてね。

                   
2001年のブレッカー初のバラード・アルバム。メセニー,ハンコック,デジョネットのオールスターズ。更にジェームス・テイラーが2曲で参加。ハンコックも頑張って慣れないリリカル・フレーズ連発してますが,やっぱりメルドーの方が深い。