みどりの森ノート

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劇場版 ポケットモンスター ココ 感想

2021-02-18 | ポケモン
 ネタバレ注意です。
2月の頭になってもまだ入場者プレゼントがもらえたあたり、今年の状況がうかがえます。
例年だとこれくらい経ってから行くともう無くなってたりするので。


 ターザン物、親子物の子供も大人もファンもライト層も楽しめる王道・感動ストーリーに
旧世代のポケモンもたくさん出しつつ剣盾のポケモンもたくさん、しっかり目立つ所に配置されていて
ポケモンの自然で可愛い(かっこいい)動きにバトルもあり…と全方向にバランスが取れてたなと感じました。
 みんなの物語もその辺バランス良かったものの主軸が人間寄りだと感じていたのが、
今年はその辺がポケモン寄りになり、観ていてより満足度が高かったです。

 個人的にポケモン映画が好印象になるポイントの一つが「主役ポケモンが味方側でちゃんと活躍する」
だと思っているのですが(例…ルカリオ、ボルケニオン、セレビィ、水の都あたり)
ボルケニオンがキャラ面でもバトル面でもちゃんとかっこよかったのをしっかり受け継いだのがザルードという感じで
「強くてかっこいいポケモン」としても「父ちゃん」としてもとてもかっこよく主役ポケモンしてました。
主役の父ちゃんは勿論群れのザルード達も悪かっこいいしイケボだし、ザルードというポケモンを好きになれました。
あくタイプなのに主役で父ちゃんというギャップも、本人達は正しい行動と信じているものの
「泉を独り占めしていて他のポケモン達から疎まれている」という設定で上手くあくタイプの説明がつきます。
最初に触れたバランスの良さと合わせて矢嶋監督みんなの物語以上にうまく作ったなと思えます。

 そして、観ていてザルードに次ぐ主役ポケモンではないかと思えたのがホシガリスとウッウ。
ホシガリスは宣伝やグッズで妙に露出が多かったりインタビュー記事でコメディリリーフと書かれて気になっていましたが
その通り、小動物でマスコットで1匹だけギャグアニメのキャラみたいでとても面白可愛かったです。
矢嶋監督はXYでもポッチャマ、ミジュマルに続くギャグ枠のハリマロンを前2匹ほどウザく感じさせないように
上手く動かしていた実績があるので今回のホシガリスもその辺のバランスが上手いなと感じました。可愛い。
 ウッウも事あるごとにロケット団とお互いギャグキャラを引き立て合っていたり、
(ゲーム版の演出では若干違和感を感じた)ピカチュウ丸呑みをうまく生かしていたりととても可笑しかったです。
 ED映像は2匹が半分以上独占していたし、伝説でもない普通のポケモン、そして剣盾の新ポケモンを
ここまで美味しい立ち位置で動かしてたのがとても上手く、この2匹も明らかに好感度が上がりました。
 ジラーチ映画のフライゴンといい、
タイトルに入ってるわけでもない伝説でもない普通のポケモンが予想外に活躍するパターンはとてもいいものです。

 3匹の他にもタイレーツやウールーと剣盾の新ポケモンも要所要所に置かれていて可愛かったし
旧世代からもザルードに並んで空中の動きがかっこよかったフライゴンを筆頭にワシボンやスカンプーとたくさん出ていて。
キミにきめたはカントー、みんなの物語はジョウト縛りと続いていましたが
今年はそういう縛りがなく剣盾を筆頭に全世代のいろんなポケモンを楽しめました。
 やっぱりポケモンには「自然と動物」の題材がすごく合うしそれを内容面でも映像面でもとても生かせていました。
通常のシーンでもジャングルや街のポケモン達が画面中ちょこまか動いてるのがとても眼福で
「自然の中に生きる動物」の良さがすごく絵になっていました。
クライマックスでザルードとポケモン達が協力してゼッド博士を攻撃するのも同じく
両者が心を通わせていくのも勿論たくさんのポケモンのかっこいいバトルシーンを見る事ができました。
 あと今回はきのみに結構スポットが当たっているのも好みでした。
ザルード親子の畑やホシガリスが習性として持ち歩いていたり、「自然とポケモン」のモチーフにぴったりでした。

 映画観た後に宣伝やグッズの露出と照らし合わせるとモルペコやヒメンカはグッズに選ばれるほど出てたっけ…?
となるんですが、そこは新ポケモンだしグッズはないよりある方がいいので「別にいいか。いいよな。」という感じ。

 今回は悪役が「悪役=主役サイドを引き立てるための存在」に徹していたのもよかったです。
宣伝であまりゼッド博士が出なかったのは実は悪役なのを隠すのもあったと思いますが、
ポケモンの作品で人間それも悪役が目立ちすぎるのもあれなので今回ぐらい抑え目なのもいいと思います。
悪役としてやる事はしっかりやっていたし。
 山寺宏一さんはここ最近はちょい役で出る事も増えてきたしちょっと「そろそろいいんじゃないかな?」
と思ったりもしてましたが今回の「派手に目立たないけどやる事やってる悪役」にはベテラン声優としてぴったりでした。
ゼッド博士が悪に徹する一方で助手の研究員達は良心に揺れていたのも共感しやすかったです。

 セレビィはさすがにちょっと物足りなさを感じました。
映画に出るのは3回目(+TVアニメも含めればちょこちょこ)ですが色違いとしては実質初登場なんだし。
たまごの伝承は何となくセレビィ絡みと分かったものの特定バージョンの図鑑の文を覚えている人は多くないと思うし
初見後に人様の感想を探してやっと大体繋がりました。ラストのセレビィとザルードもちょっと唐突な感じが。
宣伝等ではっきり主役ポケモンとして紹介されていてグッズもたくさん出ているんだから、
幻マスコット枠でまして子供向けならもう少し分かりやすく、がっつり出すべきだったと思います。

 ストーリーはいい意味で王道・感動物で、奇をてらわずこういうベタなのでいいんだよなと思えました。
前半とラストの花火の対比、最初とラストにサトシがママと話すシーンなどポケモンならではな部分も練られていて。
ザルードとココの物語は親子物であると同時にポケモン映画としても王道な「ポケモンと人間の絆」でもあり
そこがポケモンファン、そうでもない層どちらにもどちらも刺さるのが上手かったです。
みんなの物語は「人間がポケモンと絆を結ぶ、力を貰う」点が主でしたが今回は
ココを育てたザルードの視点やラストの花火で「ポケモンが人間に理解を示す」所が描かれて、好みでした。
今回、ココは半分ポケモンみたいなものだし他に人間キャラがサトシと研究所の人達ぐらいで
その分ザルード筆頭にポケモンが主軸で進むシーンが多かったのも好みでした。
 基本ゲスト芸能人には辛口なんですがココはちゃんと人間語を喋れない人間なので
ゲスト芸能人をどこかに使うならこのキャラがぴったりだろうな、という感じ。

 今回は挿入歌が何曲もミュージカルのように流れるという初の試みで。
要所要所で盛り上がって音楽の力は大きいのを感じたので、いい試みだったと思います。
サンムーンから岡崎体育さんはタイアップながら子供向けとしての(←重要。)
ポケモンにちゃんと合った歌を作ってくれるのでとても心強いです。
ED曲も良かったですが宣伝等で使われた「ふしぎなふしぎな生きもの」を筆頭に他の挿入歌に
埋もれてしまってたのが惜しかったり。
 ED映像も今までにない感じで良かったです。どうせならもっといろいろポケモンが出て来たり
最後にちらっとザルードやセレビィが横切るくらいしてもよかった気がします。
今まで定番だった雄大な景色の中を旅するサトシ達や映画キャラの後日談がEDで明かされるのも
個人的に捨てがたいのですが、EDのホシガリスとウッウに合わせて子供が踊ってたという感想を結構複数見かけるので
子供向けとしてはこういう路線も正解ですね。

 Switchの仕様なのか今年から劇場で直接配布からシリアルコード式に変わりましたが
劇場で直接配布では何かと現場トラブルが多かったんじゃないかと思うのでこの方がいいと思います。
前売り券で通常ザルードとセレビィ、劇場配布で父ちゃんザルードと計3匹の配布がありましたが
前売り券はどちらか1匹で、ザルードも1回配布すれば十分だったのではと思います。
せっかく一昨年は配布に頼らず映画をやれたのにと思うのですが、なかなかやめられないもんなんでしょうか。

 ここまでサトシとピカチュウへの言及がほぼ無しですが、みんなの物語からのサトシはいい意味で影が薄く
ポケモン大好き・ベテランのトレーナーとしてゲストキャラを導くのに徹してるのがいい塩梅です。
 サンムーンの伝説編みたいな手持ちポケモンも総動員大活躍のめちゃくちゃ少年物主人公してるサトシも好きですが。

 


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