部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

夏休み文楽特別公演

2010-07-24 | 文楽
さて、本題の感想など。

まず、土曜の夜の三部から拝見しました。
ちょうど天神祭だったからか、客席はかなり空席が目立ちましたねー
あなもったいなや。 菅公様も複雑な心境なのでは。
大体、ちょっと広すぎるんだ文楽劇場は。


【菅原伝授手習鑑】 
  寺入りの段
  寺子屋の段


お馴染の寺子屋。
次にこうくる、どうなるとわかっていてもやっぱり泣ける。

小太郎が
「かか様、わしも行きたい」
と後追いする辺りから、徐々にわたくしの涙壺の栓が緩み始めるのであります。

そして、よだれくりが自分より体の小さい父親に甘えておんぶするも、
逆に自分が親を背負って帰る羽目になる場面、
そこでもじ~~ん。
「山家育ち」呼ばわりされようが、少々おバカさんだろうが、あんた幸せじゃないの、と。

和生さんの源蔵と勘壽さんの戸浪、素敵でした。

綱大夫・和生さんの源蔵はいかにも深い苦悩を抱えている男・源蔵で、
 「いずれを見ても山家育ち」
というむっとくる台詞にも
 「むっ。人さまの子供に対して「山家育ち」とは失礼なっ!」 
という腹立たしさ、半減ですよ。

そして、案の定「寺子屋」で千代が泣き口説く場面では、それまで堪えていた涙が津駒さんによってまんまと放出させられてしまうのでした。
津駒さんは松王よりも千代の部分がしっくりきて泣かされたな。


ところで、こういう事言うとまた「ふざけんな」と怒られるかすら?
松王が頭巾被って出てくると、頭巾の中にあの髪の毛がぎゅうぎゅうに詰まってぼこぼこしてる感、どうしても目が釘付けになりますよね?
「…よね」って求めても同意は得られないかもだけど。

あれをすぽっ!と脱いだ後、ぼわわわわ~~ん と髪が広がるに至っては、
「おおお~♪」
と心で松王の剛毛ぶりに賞賛を贈らずにはいられませんよね。
…としつこく賛同を求めてみる。 よね?

それはそうと、小太郎の首を討つ場面の「だーーーっ!」っていう声はどなたがされるんでしょう。
(「だーー」、じゃないか。「ばーーったり」?「でやーーっ」?「ふんがーーっ」?)

源蔵役の人形遣いの方が言われるんでしょうか?
・・・とすると、あれは和生さん?
だとしたら意外~。 えっらい大きな声やで、あれは。





【日本振袖始】

  大蛇退治の段


勘十郎さん、玉也さんは昼間も夜もご活躍で暑い中毎日大変なことです。

勘十郎さんの岩長姫には恐ろしさよりも哀しい色気があって、うっとり。
期待の玉也さんのスサノオは、なんだか立ち回りがずいぶんとやりにくそうな感じでしたねー
が、大蛇に負けないくらい激しい表情されていて、
(大蛇と玉也さんがおんなじ「ふんがーーっ」って顔してるツーショットを目撃したよ!)、
オロチが舞台に八体もいたらそりゃ思い切り刀を振るにも邪魔くさかったんでしょうよ、と。
邪魔くさい呼ばわりしてますが、大蛇役の方々も舞台を大きく使って大活躍でした。
あと、玉佳さんの爺もよかったな。 爺っぽさ満点!



そして、
三味線チーム、最高~ 

華やかで壮大、鼓や笛も舞台に登場し、岩長姫がだんだんに酔っていく場面では悲哀、緊張・・・
いかにも清治師匠らしい大曲感にワクワク。


正直、この演目についてはこれといって事前になんの予習も思い入れもなく向かったんですが、見終わってみれば「ブラボーー!」って感じ。

やっぱり生で見聞きすることの高揚感はいつ何時でもいいもんです。

例え劇場の寒さにお腹がぐるぐる言いっぱなしだったとしても・・・
(またか)
休憩のたびにトイレ往復したとしても・・・
(またなのか)



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