部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

2012年5月公演◆第一部

2012-05-19 | 文楽

5月東京公演もとっくに始まってました。
わたくしひとり文楽部 兼 腹弱部長も、一部、二部ともに鑑賞済み。

日誌なんだから、活動したら記録する。
そんな当たり前のことがなぜできぬ、部長。
今後、部長は活動だけすることにして、記録はマネージャーにやってもらいたい。
マネージャー? 誰? どこに? 
犬? 

そんな奇特な人はどこにもいないので、
これからもちょっとずつ、サンゴが成長するぐらいのペースで記録したいと思っています。(※)

※めったに更新されないあるblogからのぱくりですすみません。


◆第一部

【八陣守護城】(はちじんしゅごのほんじょう)

  門前の段
  毒酒の段
  浪花入江の段
  主計之介早討の段
  正清本城の段


江戸の庶民に人気のあった、清正公こと加藤清正を主人公にした時代物です。
あらすじは、



えーっと、インターネットの宇宙をどうぞ検索してみてください。


この演目は東京でかかるのは33年ぶりとか。
もちろん私は初めてです。
33年前なんて、私は教室でピンクレディーを踊り狂っていて、制服のスカートを釘に引っ掛けて鍵裂きし、家に帰って母親に激怒されていた頃ですよ。

燕三さんは入門したての頃だとサロンで仰ってました。
燕三さんが厳しい芸の道の扉を叩いていた頃、ピンクレディーでスカート破いてたかと思うと、感慨もひとしおですネ。
ということは、ピンクレディーと燕三さんはほぼ同世代ということでしょうか?

いや、ピンクレディーの話はもういい。
大体、私が踊ってたのはキャンディーズだったかもしれないし。



「毒酒の段」

清十郎さんの雛絹と勘彌さんの清郷は若い美しさのあるナイスカポーでしたねー。
三左衛門(和生さん)の妻・柵(蓑二郎さん)が、夫の今際の際だってのに、その隣でフリ付きで長々嘆いてるのが、
「そんなことしてる場合か!」
と、いくら決まりごととは言え、わたくしとしてはつっこまずにいられない部分なのでございました。



「浪花入江の段」

ビロードの着物の正清(玉女さん)、 「・・・血だ」 の巻。

船の舳先で ふーふ、あーは、むーふ、あーは、あははははは!!って大笑いしてる場合でないよ、正清。吐血してますよー、あなた。
そもそも毒を飲んだはずなのに、なぜ生きている、ってところからしてアレなんだけど。

そうそう、正清が鎧櫃から現れた敵を斬った後、無言で刀を差し出すと、息子の嫁・雛絹もそれを黙って清める。
そのあくまで自然に寄り添うようなあ・うんの呼吸、そりゃ後で女中達が
「若殿より大殿が先へ心味遊ばすのぢやわいの」
「する気がなうて 何とせう」
と噂するのも無理ないで、って位、お似合いでしたよ。
やるな、義父。 
伊達に頭もヒゲもふっさふさじゃないね。



「主計之介早討の段」

出ました、玉也さんの灘右衛門(実は児嶋元兵衛)、でかい!
わ・ら・づ・と!って言う咲甫さんの声もでかい!

この灘右衛門、正清役同様、ベテランの人形遣いがつとめるべき重要な役どころであるが、結構ここではあっさり引っ込むので、その分正清本城の最後がメリヤスに乗っての「どうだ」とばかりの見せどころなのである。
というようなことを、燕三さんが仰ってました。

駕籠に乗って急ぎ帰ってくる主計之介、なんと裸足でした。
そんなに急いでたのか。
足の裏トゲ刺さると危ないヨ。
ここでの型、かっこよかったですね。あの美しさ、ちょっと十次郎みたい。



「正清本城の段」

百日鬘と同じくらいふっさふさの髭を生やしてどっちが髪の毛なんだかヒゲなんだか、しかも毒を飲んだというのに百日も生き延びている正清、なんという超人。
鼠に化けて現れる敵を「捻ぢ首手足もぎ」庭に放り投げる。
いったい何の草の根を食べたらそうなるのか、ぜひとも聞きたいところです。

雛絹が主計之介と添われぬならば、と自害すると
「じゃーーん」
と着替えて現れる正清。
アルミホイルをぎゅっとつぶして硬くしたような帽子、おろし金をアクセントにしたような鎧装束だ。

佐々木・児嶋の両大将を得て気が緩み、たちまち変わるその面色。
あっ。
顔色真っ青! 青いKISSのジーン・シモンズ!
被り物を取ると百日鬘が火山噴火のようになっています。 
います、ってそんな所に気を取られている場面じゃないんだけど、見ちゃうよね、あれは。

そんでもって、メリヤス。 カッコいーよー。
じゃん じゃん じゃんじゃかじゃん♪ で、玉也さんガッシガシ。
ファンとしてはできるだけ長くやって欲しいところです。

最後に立ち去る人々が拝む先、遠くの楼に鎮座ましますのは ちっちゃい正清。
ヒゲの分量が若干減っている。
そして、死した古今の英雄に向かってこんなこと言っちゃなんだけど、ちっちゃくなった正清は笑い飯の西田さん似だった。



そんなこんな(どんな)で、いやー、わたくし的に色々と見どころ、聞きどころ(聞いてないでしょ)満載の、たいへん楽しい演目でございました。
も一回観るよ。





【契情倭荘子】(けいせいやまとぞうし)

  蝶の道行

幸助さん、一輔さんのすけすけコンピと清治隊長率いる床チーム。
三味線が華やかで、舞台も花が咲き乱れる美しさ。
蝶の舞は思いがけず激しい動きで、すけすけコンビのお二方とも汗だくの熱演でしたね。
あのスピードでひらひら舞いながら優雅さを出すというのは、相当難しいと思われます。
ガンバレ、すけすけコンビ! 
いや、正確には、ガンバレ、左&足の人!