部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

第一部◆彦山権現誓助剣 (その1)

2012-02-16 | 文楽
このお話、毛谷村だけ見てると びみょ~ なんて思ってたんですけど、そこに至るまでの物語を読んでみたらえらい面白かったです。
やっぱり予習大事。わかっちゃいるんですが根っから怠け者でねぇ…


【彦山権現誓助剣】
  
  杉坂墓所の段
  毛谷村の段
  立浪館仇討の段


◆杉坂墓所の段
  
“すぎさかはかしょ” って言いにくいな。 
私は十中八九、「すぎシャカはかしょのだーんー」てなる。 


口は希・龍爾さん。
希さん、よかったなー。 清々しい声に心洗われました。
 「喪に入って悲しみを」 なんてところではちゃんと声に悲しみがこもっているし。
ははぁ~、そうかそうか。
耳を澄まして聞いていたれば、こういった細かいところまできちんと表現されてることにも気がつくもんなんですね。

言っときますけど。 私だって常に劇場でうつらうつらしてるばっかりじゃないんですよ。
このようにシャキッと集中して聞いてるときだってあるんですっ
特に一部のしょっぱななんてそりゃあもう、 キリッ! びしっ! としたもんです。
気持ちはめっちゃ前のめり。
ただ残念なのは、開始15分くらいがその「キリッ!」のピークで、以後なだらかに下降する一方、ってところが、ねぇ… いかんともしがたい。


さて、舞台では六助(玉女さん)が亡き母の墓前で念仏をあげています。そこにきこり達三人が見舞いに登場。
そのきこり仲間達が、実は・・・・!!

なんてことはまったくなく、和気あいあいと麓をさして帰りけーるー


奥は英・清介さん。

微塵弾正(じつは京極内匠)がニセの老母を背負いて登場。
(ニセ老母は紋臣さん。紋臣さん、婆かー。 あの手の反り加減が見られないんだなー)

配役ですでに(じつは○○)ってあるから、毛谷村だけ観るお客にすら弾正は正体がすっかりバレバレだ。
しかし観客はそれは見ぬフリをしなければなりません。
ドリフなら「六助~、後ろ後ろ~!」ってな風に教えてしまうところだけど、お客さんは皆いい大人なのでそこはぐっとこらえて騙されたふりをして見守る。
大人の礼儀ってやつですね。

「親孝行したいからここはひとつ、試合に負けてくれんかね」
と微塵弾正(じつは京極内匠)が親思いぶった小芝居をするわけですが、その弾正殿、顔も白いしいかにも「いいもん」な風情なので、もし「(じつは京極内匠)」って知らなかったら、根っから気のいい六助だけでなくこの疑い深い私でさえもコロッと騙されていたかもしれません。ウソ泣きまでしてるしさ。
まったく玉輝さんの弾正は大きくて憎々しかったですね。

そして、お園ちゃんの亡き妹お菊の息子・弥三松(簑紫郎さん)を抱えて佐五平(勘市さん)登場。
その佐五平(愛称・べい by 弥三松)、年の割に頑張るんだけど、残念ながらファーベストを着た山賊風・実は敵の一味門脇儀平(玉佳さん)らに討たれてしまいます。
そこに戻ってきた六助、べいの亡骸にすがって「べいよべいよ」と泣くばかりの弥三松を抱き上げ
「ねんねんころろん ころろんや~♪」とあやしながらも だーーーっ!と2人の敵をぶっ飛ばしてやっつけます。
清介さんの三味線と共に六助のクソヂカラが火を吹いた!

六助、なんて強いの!  そしていい人!

あなた、もしやまたの名を 藤岡弘 といいませんか? 

わたくしの中で 「六助=藤岡弘説」はここからスタートしたのでありました。



あ。 

こんな調子でダラダラ記録してたら、おしまいまで辿り着くのに100年かかるわ。

いけないいけない、次の毛谷村からはぶっ飛ばして全3行くらいにまとめたいと思います。